趣深いショパンとエネルギッシュな名曲と
1988年、さいたま市となる以前の大宮にオープンしたソニックシティが、開館30周年を記念して3つのコンサートを行う。その一つ目が、日本フィルハーモニー交響楽団による特別公演。指揮には小林研一郎、ソリストにピアニストのダン・タイ・ソンを迎えるという豪華な内容。嬉しいのは、埼玉県内の在住・在勤・在学者は、チケットが全席種、半額になるということ。該当者の場合、S席でも3000円でこの豪華な顔合わせの公演を聴くことができる。
前半でダン・タイ・ソンが演奏するのは、ショパンのピアノ協奏曲第2番。彼にとって、アジア人として初めて優勝した80年のショパン国際ピアノコンクールで演奏した、記念すべき作品だ。円熟期を迎えた今も、みずみずしく繊細な音楽を奏で続けるダン・タイ・ソンが、作曲家若き日の作品で表現するショパンは、聴きどころにあふれている。小林がオーケストラと奏でる情感豊かな音楽に、ピアノがどのように応えるのかも楽しみ。
後半は、ロッシーニの《ウィリアム・テル》序曲やドヴォルザークの「ユモレスク」、そしてシベリウスの「フィンランディア」という、“炎のコバケン”ならではの劇的でダイナミックな表現が堪能できる名曲プログラム。日本フィルとともに、特別公演にふさわしい、華やかでエネルギーみなぎる音楽を響かせる。
長年優れた公演を届け続けてきたソニックシティの大盤振る舞い! 足を運んでみる絶好の機会だ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2018年2月号より)
2018.4/8(日)14:30 ソニックシティ
問:ソニックシティホール048-647-7722
http://www.sonic-city.or.jp/