「山田和樹 アンセム・プロジェクト」記者会見

 2月20日に東京オペラシティ コンサートホールで行われた山田和樹(指揮)東京混声合唱団による公演「音楽で描く世界地図 アンセム(愛唱歌)プロジェクト Road to 2020」の開演に先立ち、山田やプロジェクト関係者が同ホールにて記者会見を行った。
(2018.2/20 東京オペラシティ コンサートホール Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE)

左より:二瓶純一(ジャパン・アーツ取締役社長)、松下久昭(キングレコード株式会社プロデューサー)、益滿行裕(日本フィルハーモニー交響楽団企画制作部長)、山田和樹(指揮者)、信長貴富(作曲家・編曲監修)、村上満志(東京混声合唱団事務局長)、佐々木通和(東京ハッスルコピー取締役事業統括)、新居隆行(全音楽譜出版社出版部長)

 「山田和樹 アンセム・プロジェクト」は、2020年の東京オリンピック、パラリンピックを控えたいま、世界の国歌や“第2の国歌”のような位置づけで親しまれている各国の愛唱歌(アンセム)を演奏会、録音、楽譜などで遺していこうという試み。公演を主催するジャパン・アーツと、CD録音を行うキングレコード、そして楽譜出版を担う全音楽譜出版社の3社がタッグを組み、各国大使館や国内の自治体、文化団体などとも連携しながら、多方面でプロジェクトを進行させる。山田が音楽監督を務める東京混声合唱団(以下東混)、正指揮者を務める日本フィルハーモニー交響楽団と共に、日本や各国のアンセムをその国の言語で歌うことで、世界への好奇心を拓き、文化的な側面から世界との距離を縮めることを目指すという。
 すでに昨年11月には、第1弾として2枚組のCD『山田和樹 アンセム・プロジェクト Road to 2020』が発売されている。今後は「アメリカ大陸」「大航海時代」など地域やテーマごとに分けて、順次CDが発売されていくという。

山田和樹

 この壮大なプロジェクトへの想いを、山田は以下のように述べた。
「世界には大小さまざま200ヵ国くらいの国や地域がありますが、それぞれに事情があります。国民全員が国歌を愛してやまない国もあれば、国歌を変えようとする動きがある国もあります。国の数だけ背景やドラマがある。それらを一つひとつ録音していこうとしています。宇宙から見ると地球には国境がない。音楽だからこそ越えられることがあると思うのです。日本と関係がうまくいっていない国もありますが、区別せず録音します! 名前すら知らないような国もあるのですが、私が音楽的に一番感激したのは、コモロ連合というインド洋に浮かぶ島国の国歌です。昨日の仙台での日本初演に続いて、今日の公演でも演奏します。
 いろんな言語があるので発音が大変なのは覚悟していたのですが、意外にも一番たいへんだったのは英語でした。このプロジェクトが終わった時には、東混は世界最強の合唱団になっていると思います!」
 編曲は、信長貴富をはじめ5人の作曲家が担当する。信長は「国によっては楽譜もないところもあるので大変。若手の優秀な作曲家に協力してもらって、200曲近くある曲の編曲をなんとか実現していけたら」と意気込みを語った。
山田和樹

ジャパン・アーツ
http://www.japanarts.co.jp/

アンセム・プロジェクトFacebook
http://www.facebook.com/yamakazuanthemproject/

【CD情報】
『山田和樹のアンセム・プロジェクト Road to 2020』
山田和樹(指揮)日本フィルハーモニー交響楽団 東京混声合唱団
キングレコード KICC-1402〜3(2枚組)
¥3000+税