話題の新鋭クァルテットがいよいよそのヴェールを脱ぐ
2016年に難関・ミュンヘン国際音楽コンクールを制し、その鮮烈で変幻自在なプレイによって、今、破竹の勢いで室内楽の世界を席巻しつつあるフランスの弦楽四重奏団「カルテット・アロド」。旬の若手を紹介する王子ホールの人気シリーズ「transit」の第8弾に登場する。
パリ国立高等音楽院に学んだ4人の若手奏者によって、13年に結成。アルテミス、エベーヌなど名アンサンブルの薫陶を受け、ミュンヘンでの優勝の前年にはニールセン国際コンクールを制し、世界各地の主要ホールや音楽祭から招かれ、快演を重ねている。「アロド」とは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』に登場する白馬の名だとか。
今回の来日公演は、柔軟な発想で演奏に取り組む彼ららしい、捻りの効いたプログラミング。モーツァルトの第15番とメンデルスゾーンの第2番という、古典派とロマン派の弦楽四重奏曲の2つの佳品に、ローマ賞を受賞した現代フランスのバンジャマン・アタイール(1989〜)による「アスル」(午後の礼拝)を挟み込む。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2017年12月号より)
2017.12/14(木)19:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
http://www.ojihall.jp/