【SACD】プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 他/ネマニャ・ラドゥロヴィチ

 プロコフィエフとラドゥロヴィチ。これほど相性が良い作曲家と演奏家の組み合わせもなかなか無いのでは。歌うようなメロディ、胸躍る楽しさ、快活な中に皮肉やスパイスがきいて、妥協なく超絶技巧を連発、そして胸を打つ美しさ……この演奏の魅力が、そのままプロコフィエフの魅力として成立する。ラドゥロヴィチの音はますます超然というべき領域に入り、切れ味鋭くてもノイズは欠片もなく、抒情的な場面での浮遊するような音色は、もはやヴァイオリンの音という枠をこえて陶然とさせられる。デュオも小品もすばらしく、ソロもオケも驚異的な透明感の第2協奏曲は完璧な名演。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2026年4月号より)

【information】
SACD『プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 他/ネマニャ・ラドゥロヴィチ』

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番、2つのヴァイオリンのためのソナタ、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、5つのメロディ、『ロメオとジュリエット』より〈モンタギュー家とキャピュレット家〉(グリュネス編) 他

ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団 他

ワーナーミュージック・ジャパン
WPCS-13887 ¥3410(税込)


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。