第23回藤沢市民オペラ プッチーニ:歌劇《トスカ》

生まれ変わった藤沢市民オペラが《トスカ》に初挑戦!


 1973年に始まった藤沢市民オペラは、市民参加型オペラの草分け。福永陽一郎(1926〜90)や畑中良輔(1922〜2012)ら、アマチュアの合唱指導にも積極的に尽力した名伯楽のもと、地元アマチュアの合唱とオーケストラ、日本を代表するオペラ歌手たちが結集して、2013年まで、40年間に22の舞台を生み出してきた。そして15年からは3年を1サイクルとする新たな枠組みに方向転換。1年目は外部オペラ・カンパニーの招聘、2年目は市民も参加しての演奏会形式オペラ上演、そして3年目に従来と同様のフル演出によるオペラ上演と、毎年欠かすことなく、変化のあるオペラ公演を楽しめるシステムになった。その最初の3年間は芸術監督に園田隆一郎を迎え、16年2月に藤原歌劇団のプッチーニ《蝶々夫人》、同年10月に演奏会形式のロッシーニ《セミラーミデ》(これが実質的な日本初演!)を上演。オペラ・ファンや専門家たちも絶賛するハイレベルな公演となった。
 そしていよいよこの11月に、第23回公演としてプッチーニ《トスカ》が上演される。指揮は芸術監督の園田、演出・粟國淳。歌手陣はダブル・キャストで、トスカが砂川涼子/佐藤康子、カヴァラドッシが村上敏明/笛田博昭、スカルピアが大沼徹/黒田博ほか、充実の陣容だ。藤沢市民オペラの新たなチャレンジに最初の答えが出る瞬間。ぜひ自分の目と耳で確認したい。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2017年11月号)

2017.11/19(日)、11/23(木・祝)、11/25(土)、11/26(日)各日14:00 藤沢市民会館
問 藤沢市みらい創造財団 芸術文化事業課0466-28-1135 
http://f-mirai.jp/