名匠と愉しむ世界の“名作の旅”
「“楽器同士の対話”ですね」。アンサンブルに最も大切なことを尋ねると、名チェリストのアントニオ・メネセスは答えた。「ある作品が、ひとつの楽器のために書かれたように聴こえるよう、常に心掛けています」。
ソリストとして国際的に活躍する一方、「ボザール・トリオ」の一員として、室内楽の歴史に偉大な足跡を記した巨匠。日本が誇る名手・田村響と共演する来日公演で、チェロとピアノによるデュオの真髄に迫る。
ブラジル出身。1977年にミュンヘン、82年にチャイコフスキーと2大難関国際コンクールを制した。50年余にわたる活動の末、2008年に「ボザール・トリオ」が解散した後も、精力的な活動を展開。世界の檜舞台で名演を紡ぎ続ける。
今回は、ショパンとドビュッシーの名ソナタをはじめ、ベートーヴェン「ヘンデルの『ユダス・マカベウス』の主題による変奏曲」、バッハ「トッカータ BWV564」からアダージョ、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第2番」やアルゼンチンのヒナステラによる「パンペアーナ第2番」など南米の作品まで、多彩に披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2017年11月号より)
2017.11/21(火)19:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp/