中井恒仁&武田美和子 ピアノデュオリサイタル “ピアノの芸術” vol.3

絶妙なデュオで織りなすロシア音楽の大作

C)Toshiaki Yamada

 ソリストとしても活躍する中井恒仁と武田美和子が、精力的なコンサート活動やアルバム・リリースを通じてピアノデュオの魅力に磨きをかけている。2人は足し算ではなく掛け算でピアノ音楽の深さ、広さ、楽しさを伝え、国内外を問わず賞賛されている。
 彼らは今年も「ピアノの芸術」を開催する。シンプルにして奥深さを感じさせるタイトルのこのシリーズも、今回で第3弾を迎える。各国の作品を紹介する「ピアノデュオ世界旅行」シリーズでは、幅広いデュオ・レパートリーを取り上げてきた彼らだが、このシリーズでは連弾・2台ピアノに縛られず、昨年は独奏作品もプログラミングした。
 今年は連弾と2台ピアノの大曲だ。チャイコフスキー自身の編曲による交響曲第6番「悲愴」(連弾)と、ムソルグスキー=ナウモフの「展覧会の絵」(2台ピアノ)である。ロシア作品の放つシンフォニックで奥行きのある音楽を、ピアノ芸術によってどう表現するのか。今回も息の合ったダイナミックな演奏に期待が高まる。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2017年10月号から)

2017.11/22(水)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
http://www.proarte.co.jp/