ピアニストの小菅優が第48回(2016年度)サントリー音楽賞を受賞した。同賞は公益財団法人サントリー芸術財団が1969年の設立以来、わが国における洋楽の振興を目的として、毎年、その前年度においてわが国の洋楽文化の発展に最も顕著な功績のあった個人、または団体に顕彰するもの。
小菅は、東京生まれ。9歳より演奏活動を開始し、2005年カーネギー・ホールで、翌06年にはザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタル・デビュー。10年ザルツブルク音楽祭で、ポゴレリチの代役を務めた。ドミトリエフ、デュトワ、小澤征爾等の指揮でベルリン響、フランクフルト放送響、シュトゥットガルト放送響等と共演。これまでに第13回新日鉄音楽賞、04年アメリカ・ワシントン賞、第8回ホテルオークラ音楽賞、第17回出光音楽賞を受賞。14年、第64回芸術選奨音楽部門 文部科学大臣新人賞受賞。
◎贈賞理由:技術と音楽性を備える卓抜したソリストとして、協奏曲の独奏やリサイタル活動などで実績を積み上げてきた。近年は歌曲や室内楽におけるアンサンブル奏者としても国内外で活動の幅を広げ、ますます成果を上げている。正統的なレパートリーを活動の基盤に守りながら、同時代作品の演奏に求められる共感と技術を高次元で併せ持つ、稀有な存在でもある。16年度のリンドベルイ「ピアノ協奏曲第2番」の独奏は、高い集中力と自在な技術及び、作品理解への真摯な姿勢を兼ね備えたものとして特筆に価する。
(ぶらあぼ5月号より)
サントリー芸術財団
http://www.suntory.co.jp/sfa/music/