マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

巨匠が紡ぐ巨大な音楽歴史絵巻

*4/9ミューザ川崎公演の曲目変更になりました
【変更前】
シューマン: アレグロ ロ短調 op.8 / 幻想曲 ハ長調 op.17
ショパン:  舟歌 嬰ヘ長調 op.60 / 2つのノクターン op.55
子守歌 op.57
ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53「英雄」

【変更後】
ショパン: 前奏曲 嬰ハ短調 op.45
Chopin    Prelude in C-sharp minor op.45
舟歌 嬰ヘ長調 op.60
Barcarolle in F-sharp major op.60
2つのノクターン op.55
2 Nocturnes op.55
子守歌 op.57
Berceuse op.57
ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53「英雄」
Polonaise No.6 in A-flat major op.53 “Héroïque”
        ***
ドビュッシー: 前奏曲集第2巻 
Debussy Preludes II Livre

©Cosimo Filippini

©Cosimo Filippini

 現役ピアニストの最高峰にそびえるマウリツィオ・ポリーニ。その厳しく彫琢された音楽は、一回ごとに得難い体験を聴き手に与えてきた。また彼の音楽に対する視線は、深い歴史意識に裏打ちされたものだ。ポリーニは同時代の作曲家とも緊密にコラボレートしてきたが、こうした協業は翻って古典的作品の演奏においても、その音楽が作られた時代に居合わせているかのようなアクチュアリティを生み出してきた。
 2012年以来となる4月の来日では2プログラム3公演が予定されている。まず、9日と16日ではシューマンにショパンを続ける。シューマンの「幻想曲 op.17」はベートーヴェンへのオマージュとして1838年に作曲されたもので、ショパンからは「英雄ポロネーズ」をはじめ1842年から3年程度の間に書かれた、脂の乗った時期の作品が並ぶ。
 一方、21日公演ではショパンから始まる。「幻想ポロネーズ」や「ノクターン op.62」「マズルカ op.59」を経て「スケルツォ第3番」と、ジャンルの広がりが味わえる選曲で、そこから一気にドビュッシーの「前奏曲集第2巻」へと飛ぶ。第1巻の表題性から抽象的な世界へと歩みを進めており、近代音楽において重要な位置を占めるピアノ曲集だ。
 どうやらこれはベートーヴェンに始まり20世紀に至るピアノ音楽の指標を押さえたプログラミングのようだ。東京・春・音楽祭のポリーニ・プロジェクト(4/14,4/15 ポリーニは出演しない)はベートーヴェンにベリオ、ブーレーズが組み合わされたプログラムで、併せて聴くと巨大な歴史絵巻が完成するのではないか。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)

4/9(土)19:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
4/16(土)、4/21(木)各日19:00 サントリーホール
問:カジモト・イープラス0570-06-9960
http://www.kajimotomusic.com

ポリーニ・プロジェクト ベリオ、ブーレーズ、ベートーヴェン
4/14(木)、4/15(金) 東京文化会館(小)
※詳細は東京・春・音楽祭ウェブサイト(http://www.tokyo-harusai.com)でご確認ください。