コルネリウス・マイスター(指揮)

“2大B”の傑作シンフォニーを携えてウィーン放送響と再び来日!

©Nancy Horowitz
©Nancy Horowitz

 ウィーンの4大メジャーオーケストラのひとつで、オーストリア唯一の公式の放送交響楽団として高い評価を得ているウィーン放送交響楽団が、2016年2月に日本ツアー公演を行う。率いるのは、同楽団の首席指揮者・芸術監督のコルネリウス・マイスター。1980年ドイツ・ハノーファー生まれ、世界中の一流楽団で活躍中の俊英で、2005年から12年にはハイデルベルク市の音楽監督も務めた。
 マイスターがウィーン放送響のポストに就任したのは2010年。既に5年の歳月を共にし、信頼関係も深まっている。
「ウィーン放送交響楽団は、今まで共演した中で最も感銘を受けたオーケストラのひとつです。ウィーンの伝統音楽がベースにあり、ヨーロッパの文化に深く根付き、幅広いレパートリーを持ったオーケストラで、一緒に演奏する事ができて本当に嬉しく思います。私たちは本拠地ウィーンのほかにも、毎シーズン、ザルツブルク音楽祭や、ヨーロッパ各地でツアーも行っています」
 今回の日本公演では、ベートーヴェンの交響曲第7番とブラームスの交響曲第2番という、ウィーンゆかりの作曲家の大作2曲を演奏する。
「ベートーヴェンとブラームスはウィーンを代表する作曲家です。ウィーンの街を歩いていると、時々彼らに出会えるような感覚にさえなります。ベートーヴェン、シューマン、ブラームスそしてブルックナーの交響曲をほぼ全曲指揮することもできました。前回のウィーン放送響との日本公演でもベートーヴェンとブラームスの交響曲を演奏しましたが、今回も改めてこの2人の交響曲を取り上げます。良いプログラムだと思います」
 マイスターはこれまでもウィーン放送響とのツアーのほか、新国立劇場や読売日本交響楽団に登場して、度々来日している。
「06年の新国立劇場出演時に、能を鑑賞する機会に恵まれたのですが、伝統ある能の様式にとても触発されました。それは芸術というだけでなく、日本の人々とともにある文化だと感じました。能を演じることはただの演技ではなく、役者たちの生活の最も重要な一部なのでしょう。私もその経験を活かし、ヨーロッパの音楽家として、ベートーヴェンやブラームスの交響曲も“この文化と共に生きている”としっかり意識して演奏したいと思います。そして、このツアーを通じて、私たちの文化と生活の重要な一部である音楽を、日本の皆様にご紹介したいと思います。お互いの文化を理解し合う事、これが私たちの将来の目標です」
 また、マイスターはハノーファーの大学で大植英次に師事していて「私の指揮者人生に大きな影響を与えてくれました」と語るなど日本にも縁があり、このツアーへの意気込みも大きい。
「素晴らしい日本のホールで、素晴らしい日本の聴衆とお会いできることはとても嬉しいです。新国立劇場での《フィデリオ》、前回のウィーン放送交響楽団との日本公演、14年の読響の客演など、日本にはたくさんの思い出があり、今ではもう日本に来ると我が家にいるような気分にさえなります。日本の文化にもっと触れたいし、熱心な観客の皆様とより通じ合いたいと思います」
取材協力:プロアルテムジケ 構成:編集部
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)

コルネリウス・マイスター(指揮)
ウィーン放送交響楽団
2016.2/19(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
2016.2/22(月)19:00 サントリーホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
http://www.proarte.co.jp

他公演
2016.2/17(水)神戸文化ホール 共演:久元祐子(ピアノ)(078-351-3349)、2/21(日)郡山市民文化センター(024-934-2288)