協奏?それとも競争?!
ステージの主役は、ソリストか? それとも、オーケストラなのか? 知的で繊細、かつ熱い血の通ったプレイで聴衆を魅了、世界中から常に視線を注がれているヴァイオリンのイザベル・ファウストが、首席指揮者の飯森範親が率いる日本センチュリー交響楽団の定期へ登場。ブラームスのヴァイオリン協奏曲とバルトークの“オケコン”で、主役の座を巡り“協奏曲”で“競争”する。
モダンと古楽、両方のフィールドを自在に往き来し、様々な時代のレパートリーを網羅。変幻自在なスタイルで聴く者を虜にし、クラウディオ・アバドら巨匠の厚い信頼を得てきたファウスト。飯森は「特にドイツの作品に関しては、自分の“言葉”としてヴァイオリンを奏でてくれる、素晴らしい演奏家。演奏を通じて、『ブラームスが考えていたこと』を、私たちに届けてくれるのでは」と期待感を口にする。
さらに、後半では、バルトークの難曲「管弦楽のための協奏曲」に挑む。「この曲の変拍子は、すなわち“歌”。ハンガリーの言葉の語法と一致させながら、音楽的に表現するのが難しい。さらに、楽器同士が、対話してゆく作品でもある。私たちが、これをどう料理するのか、楽しみにしていただきたい。絶対に損はさせません」と力を込める。また、これらに先立ち、飯森が「僕にとっては、もう“十八番”かな」と言うJ.シュトラウスⅡのポルカ「狩り」(1/15)と「トリッチ・トラッチ・ポルカ」(1/16)が、日替わりで披露される。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)
第206回 定期演奏会
2016.1/15(金)19:00、1/16(土)15:00 ザ・シンフォニーホール
問:センチュリー・チケットサービス06-6868-0591
http://www.century-orchestra.jp