【SACD】芥川也寸志:交響曲第1番、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/原田慶太楼&東響

東響正指揮者を5年務めた原田慶太楼が「ショスタコーヴィチ第5番の録音のカップリングは、芥川也寸志の第1番以外にあり得ない」という長年の夢を結実させた。芥川の重要作は端整かつグルーヴ感も十分。緩徐な1・3楽章の重苦しいうねりと切迫感。快速な2・4楽章のモダンでドライな機知。これぞ芥川という対比の妙も効いた見事な演奏。ショスタコーヴィチは意外なほどに正攻法。やはり作品への敬意のこもる構築で、安心して名作の世界に浸れる。芥川に好演の録音が加わった意義は大きいし、日露2作の相乗効果も含め、原田と東響の充実の成果を示すアルバム。

文:林 昌英

(ぶらあぼ2026年10月号より)

【information】
SACD『芥川也寸志:交響曲第1番、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/原田慶太楼&東響』

芥川也寸志:交響曲第1番/ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

原田慶太楼(指揮)
東京交響楽団

収録:2025年12月、東京オペラシティ コンサートホール 他(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00623 ¥3850(税込)


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。