2018年第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの1位リッテルと2位川口成彦、かのアルゲリッチと21年優勝のリウというショパンコンクールの覇者がフォルテピアノを弾いた豪華で興味深いアルバム。川口の藤倉大作品(第2回大会の委嘱作)以外はベートーヴェンの管弦楽付作品が並んでいる。川口の藤倉作品は現代における同楽器の存在価値を示す清新な音世界。リッテルはダイナミックかつ精緻な協奏曲第3番、アルゲリッチは生気に富んだ珠玉の協奏曲第1番、リウは闊達な合唱幻想曲を披露している。中でも後者2名の古楽器演奏は貴重な聴きもの。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2026年11月号より)
【information】
CD『第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール2023 オープニング・コンサート/マルタ・アルゲリッチ 他』
藤倉大:Bridging Realms/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番、同第3番、合唱幻想曲
マルタ・アルゲリッチ ブルース・リウ 川口成彦 トマシュ・リッテル(以上フォルテピアノ) 他
収録:2023年10月、ワルシャワ(ライブ)
NIFC/東京エムプラス
NIFCCD167S(2枚組) ¥オープン価格

柴田克彦 Katsuhiko Shibata
福岡県生まれ。音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。雑誌、コンサート・プログラム、Web、宣伝媒体、CDブックレットへの、取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や講座も受け持つなど、幅広く活動中。著書に『山本直純と小澤征爾』(朝日新書)、 『1曲1分でわかる! 吹奏楽編曲されているクラシック名曲集』(音楽之友社)。


