
今年、創立80周年の東京交響楽団の第4代音楽監督に就任したロレンツォ・ヴィオッティ。5月の就任披露公演から鮮烈な演奏を繰り広げ、7月定期で互いの距離をぐっと縮め、いよいよ9月は20世紀ウィーンの作曲家フランツ・シュミット最晩年の大作、オラトリオ「7つの封印の書」に挑戦する。
新約聖書の『ヨハネの黙示録』を題材に、戦争、飢餓、疫病、死が描かれるも、ヨハネは救世主の誕生と最終的な勝利を物語る。音楽は劇的で迫力満点、和声は独特だが美しい響きに溢れ、最後の感動的なハレルヤの大合唱など聴きどころ満載である。ヴィオッティもかつてアーノンクールがウィーンで本作を指揮した際、合唱団の一員として歌った経験があるというのも頼もしい。要所を引き締め、しなやかに旋律を歌わせ、オーケストラを豊かに鳴り響かせる彼の手腕が存分に発揮されるはずだ。
ソリストは海外から、ヨハネ役のテノール、マキシミリアン・シュミット、神の声のバスのフランツ=ヨゼフ・ゼーリヒをはじめ、ソプラノのクリスティーナ・ランツハマー、メゾのカトリオーナ・モリソン、さらにパトリック・グラール、クレシミル・ストラジャナッツと豪華歌手陣が集結する。合唱は、東響の数多の公演を支えてきた東響コーラス、大活躍のオルガンは大木麻理。彼女も同楽団の公演に欠かせないオルガニストだ。
若きマエストロと新時代へと船出する東響。ともに祝い、エネルギーに満ちた演奏をぜひホールで体感したい。
文:柴辻純子
(ぶらあぼ2026年9月号より)
ミューザ川崎シンフォニーホール×東京交響楽団×ロレンツォ・ヴィオッティ
フランツ・シュミット:オラトリオ「7つの封印の書」
《東京交響楽団創立80周年記念》 第745回 定期演奏会
2026.9/19(土)18:00 サントリーホール(完売)
フランツ・シュミット:オラトリオ「7つの封印の書」
9/21(月・祝)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問 ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/7siegeln/


