東京二期会《ダナエの愛》稽古場レポートvol.6

 東京二期会が10月2日から舞台版日本初演するR.シュトラウスのオペラ《ダナエの愛》。稽古場レポートもいよいよ最後です。このあとは劇場での最終総稽古の様子をレポート予定。
 こちらでは、これまでレポートしてこなかった第3幕の稽古の様子を、小森輝彦&林正子組から。
 (2015.9/22 都内稽古場 取材・文:編集部 Photo:M.Terashi/TokyoMDE)

 まずは、演出の深作健太さんによる第3幕の演出コンセプトから。
■演習プラン・メモ
・崩壊した世界、荒野。現代の日本のどこか
・すべてが夢だったかのように目覚めるダナエ
・瓦礫のなかでダナエとミダスがはじめて結ばれる
・ユピテルは本気で愛した女性を失い、また、自分の力で世界を崩壊させてしまった。
・ユピテルは疲れ果てた状態で、まるでワーグナーの「指輪」のヴォータンのような感じ
・神々の使者、雄弁の神であるメルクールが登場、お金をふらせる
・ユピテルはダナエとミダスの愛を認めざるをえない。
・ダナエの愛は、すごく小さな、ささやかな愛。しかし、それを悟ったとき、ユピテルは、自分の時代は終わった、神の時代が終わり、また自分の人生が終わったことを認めざるをえない
・瓦礫のなかにひっそりと花が咲く、ダナエの奇跡とでも言おうか
・ダナエの「ミダス、」と呼ぶ声とともに、ミダスが旅から帰ってくる

こちらでも深作健太さんのコンセプトに基づき、おおよそのストーリーがわかるようにあらすじをまじえながらのレポートです。

【第3幕】
崩壊した世界。二人が横たわっている。

ミダス(福井敬)、ダナエ(林正子) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ミダス(福井敬)、ダナエ(林正子)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

目覚めた二人。
ダナエ「黄金の部屋は?」
ミダス「自分たちが選んだ世界だよ」
ミダス(福井敬)、ダナエ(林正子) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ミダス(福井敬)、ダナエ(林正子)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

落胆するダナエだが
ミダス「君が愛の世界を与えてくれた」

ミダスは、自分がロバ引きだったこと、触れるものすべてを黄金に変える能力をユピテルからもらうかわりに、ユピテルはいつでも自分と代わることができる約束をしたことを告白する

ミダス「君の眼差しが、ダナエの愛がすべてを捨てる決心をさせた」
ダナエ「黄金でなく、使者であるあなたの眼差しに私の心は動かされました」

ミダス・ダナエ「苦労と貧困のなか、手を取り合い、新しい世界へ進もう。黄金ではなく太陽が私たちの道を照らしてくれる」

ミダス(福井敬)、ダナエ(林正子) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ミダス(福井敬)、ダナエ(林正子)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

〈第2場〉
メルクールが、ユピテルに、ダナエがユピテルを選ばなかったことは知れ渡っていること、王女たちもあざ笑っていることを告げる。
メルクール(児玉和弘)、ユピテル(小森輝彦) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

メルクール(児玉和弘)、ユピテル(小森輝彦)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

王女たちがユピテルをからかい誘惑する
王女たち「私利私欲をもたないものだけが最高の栄誉を勝ち取れるのです」
4人の王女、ユピテル(小森輝彦) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

4人の王女、ユピテル(小森輝彦)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

債権者たち、4人の王たち、ポルクス王らがなくした財産を返せと迫ると、メルクールが金貨を降らせる。とつかみ合いがはじまる。
メルクール(児玉和弘)、ユピテル(小森輝彦)、債権者たち、ポルクス(村上公太) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

メルクール(児玉和弘)、ユピテル(小森輝彦)、債権者たち、ポルクス(村上公太)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

メルクールが、ユピテルに「貧しい生活のダナエ。いまならダナエをものにできる」とけしかける
メルクール(児玉和弘)、ユピテル(小森輝彦) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

メルクール(児玉和弘)、ユピテル(小森輝彦)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

〈第3場〉
ダナエとミダスの様子をユピテルが遠くから見ている

ダナエ「平和に満ちた世界。心が癒やされる。ミダスの小屋、この世界こそダナエの王国」

そこにユピテルが現れる
ダナエ「ミダスが話してくれた、呪いをかけた老人」

ユピテル「お前ほどの美しい女性がこれほどの貧しい生活。だが、お前が幸せなら、神々のなかでも最高位の神である私が祝福しよう」

ユピテル(小森輝彦)、ダナエ(林正子) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ユピテル(小森輝彦)、ダナエ(林正子)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ダナエ「私は心から夫を愛しているのです」
ユピテル「なんと深く清い告白か。全能の神ですら入り込めない」

ユピテルはマヤのおとぎ話をする。
「かつてお前に輝きを与えた夜の君主はマヤを愛していた。彼女を幸せにするのを望んだ。花々に囲まれて暮らす夢を与えた。夢の中で彼女は神に身を捧げた。ユピテルがマヤの腕の中で安らいでいると、殺伐とした瓦礫に草花が芽を吹いた。春の息吹に世界が包まれたのだ」
ダナエ「マヤは彼のものとなった」
ユピテル「マヤは神の祝福そのものだった。しかし、ダナエは神ではなく人間の幸福を選んだ

ダナエ「呪いの力が私に幸福をもたらした。神々の摂理に感謝しています」

ユピテル(小森輝彦)、ダナエ(林正子) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ユピテル(小森輝彦)、ダナエ(林正子)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ユピテル「われわれ神が人間を創りながら、人間にしかできない能力を持たせてしまった」

ユピテルはダナエを祝福し、去る

ユピテル(小森輝彦) Photo:M.Terashi/TokyoMDE

ユピテル(小森輝彦)
Photo:M.Terashi/TokyoMDE

R.シュトラウス
オペラ《ダナエの愛》全3幕 <舞台上演日本初演>
日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演

2015年10月2日(金) 18:30 3日(土) 14:00 4日(日) 14:00 東京文化会館 大ホール

指揮:準・メルクル
演出:深作健太
装置:松井るみ
衣裳:前田文子
照明:喜多村 貴

ユピテル 小森輝彦(10/2、4)大沼 徹(10/3)
メルクール 児玉和弘(10/2、4)糸賀修平(10/3)
ポルクス 村上公太(10/2、4)高田正人(10/3)
ダナエ 林 正子(10/2、4)佐々木典子(10/3)
クサンテ 平井香織(10/2、4)佐竹由美(10/3)
ミダス 福井 敬(10/2、4)菅野 敦(10/3)
ゼメレ 山口清子(10/2、4)北村さおり(10/3)
オイローパ 澤村翔子(10/2、4)江口順子(10/3)
アルクメーネ 磯地美樹(10/2、4)塩崎めぐみ(10/3)
レダ 与田朝子(10/2、4)石井 藍(10/3)
4人の王&4人の衛兵 前川健生(全日)鹿野浩史(全日)杉浦隆大(全日)松井永太郎(全日)

合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

S13,500 A12,500 B10,000 C¥8,000 D¥6,000 学生席¥2,000
二期会チケットセンター
03-3796-1831 http://www.nikikai.net/

●東京二期会オペラ劇場《ダナエの愛》
http://www.nikikai.net/lineup/danae2015/

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