リッカルド・ムーティ(指揮) シカゴ交響楽団

ムーティとスーパー・オーケストラが繰り出す黄金のサウンド

リッカルド・ムーティ Photo:Todd Rosenberg
リッカルド・ムーティ Photo:Todd Rosenberg

 シカゴ交響楽団と言えば、アメリカを代表するオーケストラにとどまらない。力強く輝かしい金管を軸に、名手ぞろいの木管、しっとりと潤いのある弦楽器がブレンドされ、まさにベルリン・フィルやウィーン・フィルと並ぶ世界最高峰のオーケストラの一つだ。そのシカゴ響が来年1月、音楽監督リッカルド・ムーティと共に7年ぶりに来日する。
 ムーティとシカゴ響との関係には30年近いブランク期間があった。しかし、長らくスカラ座を率いてきたムーティが2005年に同劇場を辞したのを期に、シカゴ響からのラブコールにより幾度かの共演を経て、10年には音楽監督に就任。現在は20年までの延長も発表され、関係が良好なことをうかがわせる。
 ムーティは緩みなく明快な語り口で曲にずばっと切り込む指揮者。そのリードには独特の厳しさが漂い、指揮台に立つだけでその場の空気が締まる。シカゴ響のパワフルな音作りがムーティのカリスマ性と融合反応を見せ、ダイナミックな公演になることは必至だ。すでに両者の優れた録音が幾つかリリースされているが、ムーティの芸風にも晩年時代ともいうべき風格が感じ取れるようになってきた。6年の共業を経て練り上げられたスタイルを、ぜひともご自身の耳で確かめてほしい。
 東京では2公演が予定されており、1月18日はベートーヴェン「運命」、マーラー「巨人」の組み合わせ。翌19日にはプロコフィエフ「古典交響曲」、ヒンデミット「弦楽と金管のための協奏音楽」といった20世紀モダンの古典的名曲の後に、チャイコフスキー「交響曲第4番」が続く。オーケストラの醍醐味を心ゆくまで味わえる選曲だ。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)

2016.1/18(月)、1/19(火)各日19:00 東京文化会館  10/3(土)発売
問:NBSチケットセンター03-3791-8888
http://www.nbs.or.jp