5月9日より、大阪の住友生命いずみホールを中心に開催された「第12回大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」。22日に行われた「コンクール」のファイナルラウンドをもって、全部門の入賞団体が決定した。
本大会は、
・弦楽四重奏(第1部門)、およびピアノ三重奏/ピアノ四重奏(第2部門)を審査対象とする「コンクール」(審査委員長:モニカ・ヘンシェル)
・6人までのアンサンブルであれば楽器の組み合わせは自由、課題曲や年齢制限もなしという独自の枠組みで審査を行う「フェスタ」(特別審査員:呉信一 他)
の2つから構成される。結果は以下の通り。
■コンクール・第1部門(弦楽四重奏) [予備審査:30団体→本審査:7団体(※1団体出演キャンセル)]
第1位 モータス・クァルテット(オーストリア)
第2位 カルテット風雅(日本)
第3位 クァルテット浬(オーストリア)
■コンクール・第2部門(ピアノ三重奏/四重奏) [予備審査:46団体→本審査:8団体]
第1位 トリオE.T.A.(ドイツ)
第2位 オイフォリー・クァルテット(ドイツ)
第3位 ダヴィドフ・トリオ(ドイツ)
■フェスタ [予備審査:59団体→本審査:15団体(※1団体出演キャンセル)]
メニューイン金賞 ザ・モーニン・フロッグズ(アメリカ)
ファイナリスト賞 デュオ・カロリーナ&イヴォ(ポーランド)、クワチュール・アヴェナ(フランス)、クレヴェール・クァルテット(ロシア)
「コンクール」第1部門で第1位に輝いたモータス・クァルテットは、2022年結成。25年に行われたヨーゼフ・ヨアヒム室内楽コンクールでの第1位をはじめ、すでに国際コンクールで実績を残しており、今年100歳を迎えた著名な作曲家 ジェルジ・クルターグとのコラボレーションや、現代音楽演奏のレジェンド アルディッティ四重奏団との共演なども行っている。ファイナルラウンドではベートーヴェンの第12番を取り上げ、精緻かつ堂にいった演奏で見事第1部門を制した。

提供:日本室内楽振興財団
落合真子、小西健太郎(以上ヴァイオリン)、川邉宗一郎(ヴィオラ)、松谷壮一郎(チェロ)らによるカルテット風雅は、同じくベートーヴェンの第12番で生命力あふれるアンサンブルを披露し第2位に。また、東京音楽大学在学中に結成され、現在はオーストリアで研鑽を積むクァルテット浬(かいり)【佐々木大芽、三田悠(以上ヴァイオリン)、ジリャン・シー(ヴィオラ)、坂井武尊(チェロ)】は第3位に入賞した。

提供:日本室内楽振興財団

提供:日本室内楽振興財団
「コンクール」第2部門では、ピアノ三重奏団 トリオE.T.A.が優勝を果たした。団体名はドイツの著名な作家・作曲家・批評家であるE.T.A.ホフマンにちなんで名づけられており、同国を中心に精力的な演奏活動を展開。2023年にはGENUINレーベルでCDデビュー、今夏には新譜『UN///KNOWN』のリリースも予定されている。ファイナルラウンドでは武満徹の「ビトウィーン・タイズ」とともにシューベルトのピアノ三重奏曲第2番を選曲、切れのある快演で客席をわかせた。

提供:日本室内楽振興財団
「フェスタ」の最高位となる「メニューイン金賞」は、6本のサックスで構成されるアンサンブル ザ・モーニン・フロッグズが受賞した。ファイナルラウンドでは、バッハからジャズやロックンロールのナンバーまで多彩な楽曲で、同族楽器ならではの一体感のある演奏を披露。ロッシーニの〈私は町の何でも屋〉では、メンバーの一人が歌唱を務めるとともに、“フィガロ”の掛け声を客席にリクエストするなど、会場全体を巻き込むパフォーマンスで魅了した。

提供:日本室内楽振興財団
「コンクール&フェスタ」の演奏は、YouTube上でライブ配信のアーカイブを視聴できる。さらに今後は、各部門最高位に輝いた団体のコンサートツアーも予定されている。前途洋々たる若き音楽家たちが、本コンクールを経てどのように世界に羽ばたいていくか、注目したい。
文:編集部
写真提供:日本室内楽振興財団
第12回大阪国際室内楽コンクール&フェスタ
https://jcmf.or.jp/12thcompetition-festa/
ライブ配信アーカイブ
https://www.youtube.com/@Osakachambermusic/streams
