
日本を代表する名フルート奏者、工藤重典のプロデュースによる東京チェンバー・ソロイスツの第4回公演が開催される。東京チェンバー・ソロイスツは、フルートの工藤重典を中心としたアンサンブルで、今回は、大阪交響楽団首席ソロコンサートマスターを務めるヴァイオリン奏者の森下幸路、NHK交響楽団ヴィオラ奏者の中村洋乃理、NHK交響楽団チェロ奏者の村井将、パリ国立音楽院などで教鞭をとるチェンバロ奏者のリチャード・シーゲルが参加する。名手たちが一堂に会し、フルートを中心とする機動力のある編成で、多彩なプログラムを披露する。
今回のプログラムでは、バロック音楽〜古典派と20世紀フランス音楽が組み合わされる。大バッハの息子で少年期のモーツァルトに影響を与えたヨハン・クリスティアン・バッハの「フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための四重奏曲」や大バッハの「音楽の捧げもの」のトリオ・ソナタが描く端正な調和の古典の美と、ジョリヴェの「クリスマス・パストラル」やイベールの「2つの間奏曲」、フランセの五重奏曲といったフランス音楽の洒脱で軽やかな美が選曲の妙を生み出す。大きな聴きものはモーツァルトのディヴェルティメントK.334より第1、3、4、5、6楽章。第3楽章のメヌエットが有名だ。原曲はホルン2本と弦楽5部の作品だが、これをフルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロで演奏する。流麗さと清新さにおいてモーツァルト屈指の名曲に、フルートが新たな魅力を添えてくれることだろう。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2026年1月号より)
工藤重典プロデュース 東京チェンバー・ソロイスツ Vol.4
2026.2/25(水)19:00 東京文化会館(小)
問:カジモト・イープラス050-3185-6728
https://www.kajimotomusic.com

飯尾洋一 Yoichi Iio
音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/

