ばらのまち福山国際音楽祭 2026~広島の歴史文化都市にドイツ音楽の花々が咲き誇る!

ここでしか聴けない、注目の3公演を紹介

 広島県福山市のふくやま芸術文化ホール リーデンローズを舞台に繰り広げられる初夏のフェスティバル、「ばらのまち福山国際音楽祭」の大きな特色は「ここでしか聴けない」企画やアーティストの組み合わせにある。

 今年のテーマは「世界を旅する音楽~ドイツの風」。5月22日のオープニング・ガラ・コンサートではインドネシア人マエストロのアドリアン・プラバーヴァが、2024年に創立100周年を迎えたドイツのシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団を指揮、J.シュトラウスⅡ世のワルツ(もちろん「南国のバラ」は、“ばらのまち”福山の定番)やベートーヴェンの名曲を奏でる。そのピアノ協奏曲第3番(第1楽章)のソロは広島県出身、オランダとドイツで学んだ伊藤憲孝が担う。さらに本公演では大島能楽堂が能舞を、作曲家の池辺晋一郎がナビゲーターを務めるという国際色豊かな布陣だ。

左:アドリアン・プラバーヴァ
右:伊藤憲孝

 昨年80歳を祝ったヴァイオリニストで室内楽のベテラン、教育界にも大きな足跡を印した原田幸一郎が組織したローズ・ストリング・アンサンブルも、音楽祭の目玉の一つ。23日の「アーティスト・イン・コンサート~ヴァイオリンの祭典~」ではバッハ、ヴィヴァルディの名曲で﨑谷直人、周防亮介ら名手が華やかな技を競う。

左より:原田幸一郎 ©堀田力丸/﨑谷直人/周防亮介 ©JUNICHIRO MATSUO

 同アンサンブルのメンバーで、福山市に縁のあるヴァイオリニスト・松田理奈は24日に、「知の巨人」の風格を備えつつあるピアニストの阪田知樹とのデュオ・リサイタルに出演、ベートーヴェンやブラームスの王道プログラムで進境を明らかにする。

左:松田理奈 ©AkiraMuto
右:阪田知樹 ©Ayustet

文:池田卓夫

ばらのまち福山国際音楽祭 2026
2026.5/21(木)~5/24(日)
ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ、神辺文化会館、沼隈サンパル 他


●オープニング・ガラ・コンサート
2026.5/22(金)19:00 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ


♪出演
アドリアン・プラバーヴァ(指揮)
シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団
伊藤憲孝(ピアノ)
大島能楽堂(能舞)
池辺晋一郎(ナビゲーター)

♪曲目
J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇《こうもり》序曲、ワルツ「南国のバラ」op.388
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番より第1楽章、交響曲第4番

●アーティスト・イン・コンサート~ヴァイオリンの祭典~
2026.5/23(土)18:00 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ


♪出演
原田幸一郎(指揮)
ローズ・ストリング・アンサンブル【ヴァイオリン:松田理奈、﨑谷直人、周防亮介、上敷領藍子、北田千尋、篠原悠那、正戸里佳 他】

♪曲目
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番、2つのヴァイオリンのための協奏曲
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲「四季」(全曲)

●松田理奈(ヴァイオリン) & 阪田知樹(ピアノ) デュオ・リサイタル
2026.5/24(日)13:00 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ


♪曲目
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 op.24「スプリング」
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 op.108


問:ばらのまち福山国際音楽祭実行委員会事務局084-928-1117
https://fukuyama-music-fes.jp


池田卓夫 Takuo Ikeda(音楽ジャーナリスト@いけたく本舗®︎)

1988年、日本経済新聞社フランクフルト支局長として、ベルリンの壁崩壊からドイツ統一までを現地より報道。1993年以降は文化部にて音楽担当の編集委員を長く務める。2018年に退職後、フリーランスの音楽ジャーナリストとして活動を開始。『音楽の友』『モーストリー・クラシック』等に記事や批評を執筆する他、演奏会プログラムやCD解説も手掛ける。コンサートやCDのプロデュース、司会・通訳、東京音楽コンクール、大阪国際音楽コンクールなどの審査員も務める。著書に『天国からの演奏家たち』(青林堂)がある。
https://www.iketakuhonpo.com