タンブッコ(打楽器アンサンブル)

あらゆるものから音楽を引き出す驚異のグループ


 彼らが奏でる打楽器の圧倒的なエネルギーには、魂をぐっと掴まれる思いがするはず。予想を遥かに超えた驚異のパフォーマンスで聴衆を魅了、グラミー賞へのノミネートも実に4度というメキシコの世界的打楽器アンサンブル、タンブッコ。衝撃の来日公演から2年、再び彼らが戻ってくる。タンブッコは、1993年にアーティスティック・ディレクターを務めるリカルド・ガヤルド以下、4人の卓越したメキシコ人打楽器奏者により結成された。複雑な構造を持つ打楽器オリジナル作品から、民俗的なドラム・ピース、実験的な前衛作品、バッハなど古典作品までを“叩きこなす”一方、ロックや邦楽、クラシックの名手らとコラボレートを展開、打楽器に新たな地平を開拓している。またタンブッコは、ジェームズ・ボンド・シリーズ最新作『007 スペクター』(12/4日本公開)の、メキシコシティで撮影されたオープニングシーンに音楽で参加しているので、こちらも要チェックだ。
 ツアーと言っても、彼らは画一的なステージをただ繰り返したりはしない。聴衆や共演者によって、曲目や構成、時に使用する楽器までも自在に変化させていく。今回も、小学生以上を対象とした埼玉でのワークショップ(9/26)で、キッチン道具でのアンサンブルに挑戦。同じ埼玉の深谷での公演(9/27)は、元酒蔵という会場にちなみ、酒樽も叩くという。また、長野の松本公演(10/1)はピアノの松橋朋潤と共演。愛知・長久手公演(10/10)ではガムラングループ「スカルサクラ」との共演で、新作も世界初演する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)

9/26(土)11:00ワークショップ 15:00本公演
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール(0570-064-939)
9/27(日)13:00 16:00 七ツ梅酒造跡 東蔵ホール
(彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939)
10/1(木)19:00 松本ザ・ハーモニーホール(オフィス・マユ026-226-1001)
10/4(日)15:00 東京文化会館(小)(03-5685-0650)
10/10(土)15:00 長久手市文化の家 森のホール(0561-61-2888)