ピアノ・デュオ・プロジェクト Vol.3

名手たちが紡ぐ華麗なる響き


 『ピアノ・デュオ・プロジェクト』とは、東京芸術大学ピアノ科で教鞭を執る教員たちによるピアノ音楽の祭典。第3回となる今回も、6組12人の名手が、2台のカワイの銘器SK-EXを使い、時に丁々発止のやりとり、そして時に親密な音の対話を繰り広げる。まずは、東浦亜希子と冨士素子が、シャブリエの「3つのロマンティックなワルツ」と「スペイン狂詩曲」を。そして、菅野雅紀と松岡淳は、シューマン「アンダンテと変奏曲」とデュカス「魔法使いの弟子」を披露。そして、恩田佳奈と後藤友香理は、シューマンの独奏曲をドビュッシーが2台ピアノのために編曲した「カノン形式による6つの練習曲」やサン=サーンス「死の舞踏」を。さらに、ラヴェル「スペイン狂詩曲」を菊地裕介と新納洋介、ラフマニノフ「交響的舞曲」を竹内真紀と安田里沙が弾き、安武亮と白石光隆はガーシュウィンの名品をグレンジャーが編曲した「ポーギーとベスによる幻想曲」を演奏する。まさにピアノ・デュオの神髄に触れる一夜だ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)

7/11(土)18:00 東京文化会館(小)
問:カワイ音楽振興会03-3320-1671
http://kawai-kmf.com