ヴァイオリン×サクソフォン×ピアノ—異色のトリオによる新作リリース記念コンサート

左より:黒岩航紀、陬波花梨、伊藤万桜 ©Makito Ishikawa

 伊藤万桜は多岐にわたる活動を展開するヴァイオリニストである。彼女が陬波花梨(サクソフォン)、黒岩航紀(ピアノ)とのトリオで2022年にリリースしたデジタル限定アルバム『夢の色彩』から3年が経ち、待望の第2弾『Once Emerged from the Gray of Night』を6月に発売。その記念コンサートが行われる。プログラムには、ラヴェルのピアノ三重奏曲に久保哲朗の「かつて夜の灰色から浮かび出て ピアノ三重奏のための」(委嘱新曲)などのCD収録曲に加え、それぞれのソロ曲も並ぶ。フランス人作曲家の作品を中心に、3名の精緻な技術、音色の美しさと多彩さを存分に堪能できる選曲だ。ヴァイオリンにサクソフォン、ピアノという異色の編成だからこそ生み出されるサウンドは、聴き手に様々な感動を与えてくれることだろう。そのなかでも特に注目したいのはやはり新曲。幅広いジャンルを手掛け、オーケストラ作品も得意とする久保の楽曲は、3名のアンサンブルが織りなす音色をより魅力的に聴かせる作品となっているはずだ。

文:長井進之介

(ぶらあぼ2025年6月号より)

魅惑のトリオ NewAlbum発売記念コンサート~Once Emerged from the Gray of Night
2025.6/27(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:MIグループ vnfunmi@gmail.com
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