第17回チャイコフスキー国際コンクール第2位受賞で注目を集める、ロンドン生まれでアジアにもルーツを持つ新星ピアニストの、協奏曲日本デビュー公演(サントリーホール)の熱演を収録したライブ盤。同コンクールのファイナルでも演奏したという性格の異なる2つの大曲を、チャイコフスキーはまるで東京フィルに挑むように、ラフマニノフでは寄り添うようにして、それぞれのロマンティシズムを紡ぎ出す。渡邊一正の指揮も彼のノーブルな魅力を見事に引き立てている。アンコールで聴衆の心を更に掴んだブラームスの間奏曲が入っているのも嬉しい。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2025年6月号より)
【information】
SACD『チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番/ジョージ・ハリオノ』
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番/ブラームス:6つのピアノ小品より第2番 間奏曲
ジョージ・ハリオノ(ピアノ)
渡邊一正(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団
収録:2024年11月、サントリーホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCT-00214 ¥3850(税込)