水野優也が第76回プラハの春国際音楽コンクール チェロ部門で優勝

 チェコ伝統の音楽祭「プラハの春」に先立ってスタートしていたプラハの春国際音楽コンクールは、現地時間5月14日に同地のルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホールでチェロ部門(審査員長:ラファエル・ウォルフィッシュ)の本選審査が行われ、日本から参加していた水野優也(27歳)が第1位に入賞した。

水野優也 ©Yuji Ueno

◎プラハの春国際音楽コンクール2025 最終結果
第1位 Yuya Mizuno(日本)
第2位 Till Schuler(ドイツ)
第3位・聴衆賞 Alexandra Kahrer(オーストリア)

 この日は、バッハの無伴奏チェロ組曲第6番からの抜粋に続き、マレク・プラジル指揮 プラハ交響楽団とドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏。旋律美あふれる傑作を繊細かつカンタービレ豊かに歌い上げ、客席からは盛んな拍手と歓声が起こっていた。水野は副賞として、来年のプラハの春国際音楽祭で演奏する機会を与えられる。

 第76回を迎えたコンクールは、1947年に指揮者ラファエル・クーベリックらによって創設されたチェコを代表する登竜門で、管・弦・鍵盤のさまざまな部門の中から毎年2つの楽器ごとに順番に実施されている。今年はオーボエ部門とチェロ部門が開催された。本選はプラハの春音楽祭の公演のひとつにも数えられる。

 水野は1998年生まれ。東京都出身。桐朋学園大学音楽学部ソリスト・ディプロマ・コースを経て、ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学では、名匠ミクローシュ・ペレーニに師事。現在は、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学でクレメンス・ハーゲンのもとで学んでいる。これまでに、2020年の日本音楽コンクール第1位、2024年エンリコ マイナルディ コンクール第1位などの入賞歴がある。ジャパン・ナショナル・オーケストラ コアメンバーとしても活躍。リサイタルや室内楽のかたわら、ソリストとして国内外のオーケストラとの共演も多い。

 プラハの春音楽祭は12日に、セミヨン・ビシュコフ指揮するチェコ・フィルのオープニング・コンサートで開幕。15日には、同じルドルフィヌムでヨーロッパツアー中のN響の公演も予定されている。

Prague Spring International Music Competition
https://festival.cz/en/competition/