第19回ショパン国際ピアノコンクール 本大会の出場者85名が決定!

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  • 日本からは13名が出場

     4月23日から5月4日までワルシャワ・フィルハーモニーの室内楽ホールで行われていた第19回ショパン国際ピアノコンクール(主催:ポーランド国立フリデリク・ショパン研究所/NIFC)の予備予選は、全出場者の演奏が終了。自身のキャリアを賭けて28ヵ国から集まった162人のピアニストたちにより、12日間にわたり熱演が繰り広げられた。

     予備予選の審査員10名による協議を経て、現地時間6日にワルシャワ市内のフリデリク・ショパン博物館で行われたプレス・カンファレンスで、今年秋の本大会に進出する85名のピアニスト(予備予選に出場し、通過を果たしたのは計66名)が発表された。日本からは13名が出場を決めた。予備予選を通過したのは、京増修史・中川優芽花・中島結里愛・西本裕矢・小野田有紗・島田隼・進藤実優・東海林茉奈・山縣美季・山﨑亮汰。また、それ以外に、NIFCが指定する主要な国際コンクールで上位入賞した実績により予選免除で出場を認められたピアニストとして、小林海都・桑原志織・牛田智大の3名が選出されている。ポーランド勢の予選免除による出場も多い。

    岡山県出身の高校生、中島結里愛は堂々たる演奏で本大会出場を決めた
    ©Wojciech Grzedzinski

    ◎第19回ショパン国際ピアノコンクール出場者(5/6現在)
    [アルファベット順。★印は予選免除による出場者]
    Piotr Alexewicz(ポーランド)★
    Jonas Aumiller(ドイツ)★
    Yanyan Bao(中国)
    Michał Basista(ポーランド)
    Kai-Min Chang(台湾)
    Kevin Chen(カナダ)★
    Xuehong Chen(中国)
    Zixi Chen(中国)
    Hoi Leong Cheong(中国/ポルトガル)
    Diana Cooper(フランス/イギリス)
    Athena Deng(カナダ)
    Yubo Deng(中国)
    Mateusz Dubiel (ポーランド)★
    YuAng Fan(中国)
    Alberto Ferro(イタリア)★
    Yang (Jack) Gao(中国)
    Shuguang Gong(中国)
    Eric Guo(カナダ)
    Wei-Ting Hsieh(台湾)
    Xiaoyu Hu(中国)
    Hasan Ignatov(ブルガリア)
    Zihan Jin(中国)
    Adam Kałduński (ポーランド)★
    David Khrikuli(ジョージア)
    Antoni Kłeczek(アメリカ/ポーランド)
    Kaito Kobayashi 小林海都(日本)★
    Mateusz Krzyżowski(ポーランド)★
    Shiori Kuwahara 桑原志織(日本)★
    Shushi Kyomasu 京増修史(日本)

    Hyo Lee(韓国)
    Hyuk Lee(韓国)★
    Kwanwook Lee(韓国)
    Luwangzi Li(中国)
    Tianyou Li(中国)
    Xiaoxuan Li(中国)
    Zhexiang Li(中国)
    Hao-Wei Lin(台湾)
    Pedro López Salas(スペイン)★
    Eric Lu(アメリカ)★
    Philipp Lynov(中立)★
    Tianyao Lyu(中国)
    Tiankun Ma(中国)
    Xuanyi Mao(中国)
    Ruben Micieli(イタリア)
    Nathalia Milstein(フランス)
    Yumeka Nakagawa 中川優芽花(日本)
    Yulia Nakashima 中島結里愛(日本/韓国)

    Viet Trung Nguyen(ベトナム/ポーランド)
    Yuya Nishimoto 西本裕矢(日本)
    Vincent Ong(マレーシア)
    Arisa Onoda 小野田有紗(日本)
    Piotr Pawlak(ポーランド)★
    Yehuda Prokopowicz(ポーランド)
    Hao Rao(中国)
    Anthony Ratinov(アメリカ)★
    Zuzanna Sejbuk(ポーランド)
    Jun Shimada 島田隼(日本)
    Miyu Shindo 進藤実優(日本)
    Mana Shoji 東海林茉奈(日本)

    Vitaly Starikov(イスラエル)
    Gabriele Strata(イタリア)
    Eva Strejcová(チェコ)
    Ziye Tao(中国)
    Chun Lam U(中国)
    Tomoharu Ushida 牛田智大(日本)★
    Ryan Wang(カナダ)
    Zitong Wang(中国)
    Jan Widlarz(ポーランド)
    Andrzej Wierciński(ポーランド)★
    Krzysztof Wierciński(ポーランド)★
    Victoria Wong(アメリカ/カナダ)
    Maiqi Wu(中国)
    Yifan Wu(中国)
    Miki Yamagata 山縣美季(日本)
    Ryota Yamazaki 山﨑亮汰(日本)

    Fanze Yang(中国)
    William Yang(アメリカ)★
    Yuanfan Yang(イギリス)
    Yichen Yu(中国)
    Yuewen Yu(中国)
    Andrey Zenin(中立個人参加)
    Jacky Xiaoyu Zhang(イギリス)
    Yonghuan Zhong(中国)
    Hanyuan Zhu(中国)
    Jingting Zhu(中国)

     12日間にわたった予備予選では、出場者たちがそれぞれ約30分のリサイタルを行い、エチュード、マズルカ、ノクターン、スケルツォで各々の個性あふれる演奏を披露した。国際コンクールの常連が多く顔を見せたが、日本から出場した23名も、それぞれ持ち味を発揮し、作品の持つキャラクターを研ぎ澄まされたタッチで表情豊かに聴かせてくれた。そのうち神原雅治、亀井聖矢ら10名は、残念ながら本大会への進出はならなかったが、今回の挑戦が今後の音楽家人生にとって貴重な経験となることを祈りたい。

    京増修史
    中川優芽花
    中島結里愛
    西本裕矢

     アジアからの出場者が多数を占めたなかでも、実に64名と人数で圧倒した中国勢は、スケールの大きな演奏をする技巧派ピアニストが目立つ一方、ダイナミックレンジを大きくとり、ピアニッシモを繊細に聴かせるコンテスタントが多くみられたのも印象的。4月29日に登場したYuhang Wangは、手指のコンディション不良により途中で演奏を中断し、5月1日に改めて出場を許可されたが、二度目も最後まで演奏することは叶わなかった。適切な治療が行われ、今後の演奏活動に影響が出ないことを願いたい。全体的な傾向として演奏の高速化が進むなか、優れた技巧を持つ若手は多いが、ピアニストはある意味アスリートでもあり、身体的負担と日々向き合っていることを感じさせる一幕でもあった。

    小野田有紗
    島田隼
    進藤実優
    東海林茉奈
    山縣美季
    山﨑亮汰

     10月に開幕する本大会のスケジュールは以下の通り。まもなく創設100年を迎える伝統のコンクールで、審査員長を初めてポーランド人以外(1970年大会の優勝者、ギャリック・オールソン)が務めることも話題のひとつ。世界中の音楽ファンの目が注がれるワルシャワの秋となる。

    第19回ショパン国際ピアノコンクール
    2025.10/2(木)〜10/23(木) 会場:ワルシャワ・フィルハーモニー

    ◎開会記念コンサート 10/2(木)
    ◎第1次予選 10/3(金)〜10/7(火)
    ◎第2次予選 10/9(木)〜10/12(日)
    ◎第3次予選 10/14(火)〜10/16(木)
    ◎本選 10/18(土)〜10/20(月)
    ◎入賞者披露演奏会 10/21(火)〜10/23(木)
    https://chopincompetition.pl

    シュクレネルNIFC所長(左端)と審査員たち
    審査の模様

    Photos: Wojciech Grzedzinski / NIFC