
右:奥井紫麻(c)Takahiro WATANABE
音の色彩感豊かなロシア音楽特集である。とりわけメインのストラヴィンスキー「火の鳥」組曲は、おとぎ話の世界そのもので、王女や魔法が出てくる音のスペクタクルは、オーケストラを聴くよろこびを満喫させてくれる。熊倉優は作曲家としての修業をベースに持ち、N響でパーヴォ・ヤルヴィのもと、ハンブルク州立歌劇場でケント・ナガノのもとアシスタントを務め、ハノーファー州立歌劇場で第2カペルマイスターとして現場経験を重ねてきた気鋭。都響を指揮して、どんなカラフルな響きを作り出すのかが楽しみ。グネーシン特別音楽学校で学びロシア・ピアニズムの系譜を受け継ぐ奥井紫麻をソロに迎えたチャイコフスキーの協奏曲第1番もみずみずしい演奏になることだろう。
文:林田直樹

【Information】
東京都交響楽団
心躍るメロディーとリズムの名曲集!
2025.7/30(水)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
(14:00開場/14:20~プレトーク)
指揮:熊倉優
ピアノ:奥井紫麻*
プログラム
ショスタコーヴィチ:タヒチ・トロット op.16
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23*
ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踏会』
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』組曲(1919年版)
●ホール座席券
S席 | A席 | B席 | |
一般 | 6,000円 | 5,000円 | 4,000円 |
友の会 | 5,400円 | 4,500円 | 3,600円 |
U25(小学生以上25歳以下):各席半額
※U25割引はミューザ川崎シンフォニーホールおよびチケットぴあで購入できます。
※未就学のお子さまはご入場いただけません。
*詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=4418
特集:フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2025
川崎の夏を彩るオーケストラの祭典が今年もやってくる!ホスト・オーケストラの東京交響楽団をはじめとする首都圏の10団体に加え、九州交響楽団が初登場。計11のオーケストラが日替わりで熱き競演をくり広げる。注目の指揮者陣には、東響の音楽監督として最後の出演となるジョナサン・ノット、東京シティ・フィル常任指揮者の高関健、神奈川フィル音楽監督の沼尻竜典、新日本フィルの前音楽監督・上岡敏之、日本フィルを指揮する下野竜也と名匠たちが揃う。一方、九響の若き首席指揮者・太田弦をはじめ、出口大地、熊倉優、松本宗利音(しゅうりひと)、小林資典(もとのり)とフレッシュな顔ぶれも。「サマーナイト・ジャズ」、歌とオルガンで楽しむ「真夏のバッハ」、小川典子がライフワークとする「イッツ・ア・ピアノワールド」など恒例企画ももちろん健在。熱い夏の到来が待ちきれない!