横須賀芸術劇場リサイタル・シリーズ43 竹澤恭子(ヴァイオリン) × 堤 剛(チェロ) × 児玉 桃(ピアノ)

名手3人による華麗なる饗宴

 国際的に活躍する名演奏家の出逢いが、一体どのような“化学変化”を起こすのか。しなやかな音楽性と確かな技巧で、世界の第一線で活躍を続ける、ヴァイオリンの竹澤恭子とピアノの児玉桃。そして、温かな音色と深い精神性で聴衆を魅了し続ける、日本チェロ界の重鎮・堤剛。3人によって紡がれるのは、チャイコフスキーのピアノ三重奏曲の佳品「偉大なる芸術家の想い出に」。作曲家が盟友の名ピアニスト、ニコライ・ルビンシテインを追悼して綴った大作は、世代を超え、音楽という共通の言葉で語り合う名演奏家たちには相応しい。そして、堤は半世紀以上にわたる演奏家人生の中で熟成を重ねてきた、バッハの無伴奏チェロ組曲から、第3番のプレリュード、サラバンド、ブーレ、ジーグを。そして、児玉が得意とするラヴェルの作品から「鏡」の「悲しげな鳥たち」「道化師の朝の歌」、さらに竹澤との共演でヴァイオリン・ソナタを披露。名ソリストとしての3人の魅力も、たっぷりと味わえる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年6月号から)

6/14(日)15:00 よこすか芸術劇場
問:横須賀芸術劇場046-823-9999 
http://www.yokosuka-arts.or.jp