開幕目前!新国立劇場の新制作《椿姫》稽古場レポートvol.2

 昨日、5月10日(日)に開幕する新国立劇場の新制作オペラ、ヴェルディ《椿姫》のコンセプト説明や稽古初日の様子をご紹介しましたが、リハーサル室での稽古を経て昨日、いよいよ舞台での稽古が始まりました。

 こちらでは、少しだけその様子をご紹介します。
※メイク、衣裳、照明、セットその他、本番とは一部異なります。ご了承ください
(2015.4.30オペラパレス 撮影:寺司正彦 写真提供:新国立劇場)

 ステージ・リハーサル初日は第2幕第2場から第3幕までの稽古が行われました。セットや照明、衣裳を調整しながらの稽古です。

【第2幕第2場から】
演出・衣裳のヴァンサン・ブサールはこの場を「フローラ主催の、悦楽の殿堂としてのパリの宮殿」としています。
フローラ役の山下牧子(右)とドビニー侯爵役の北川辰彦(中央下)に演技指導するヴァンサン・ブサール(左)
ドビニー侯爵役の北川辰彦(左)フローラ役の山下牧子(右)

ガストン子爵役の小原啓楼(中央)

第2幕第2場の大詰め。アルフレード(アントニオ・ポーリ)が人々の前で札束をヴィオレッタ(ベルナルダ・ボブロ)に投げ付け侮辱するシーンです。右上に医師グランヴィルの鹿野由之

【第3幕から】
アルフレード(アントニオ・ポーリ)とヴィオレッタ(ベルナルダ・ボブロ)

 演出のヴァンサン・ブサールは稽古初日に行ったコンセプト説明で、第3幕について、とても興味深いことを語っています。

 「第3幕でヴィオレッタの周りにいろいろな友人や知り合いたちがやってきますが、彼らは基本的には、罪悪感にかられて彼女を見舞いにやってくる。ただ、彼女の現実的な死は、単にそこで人間が亡くなるということではなく、未来永劫につながるものなのです。
 1840年代の社会から我々の明日に向かって、未来永劫に続いていく芸術の象徴として彼女の死が、その死を飛び越えて、舞台上に描かれる。
 劇場というものを題材にして、芸術が収束することなく未来へつながっていく、それがこの作品のテーマ」

指揮のイヴ・アベル

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新国立劇場の新制作《椿姫》稽古場レポートvol.1

■新国立劇場2014/2015シーズン
ヴェルディ/オペラ《椿姫》
La Traviata/Giuseppe Verdi
全3幕〈イタリア語上演/字幕付〉
2015年5月10日(日)14:00 13日(水)14:00  16日(土)14:00  19日(火)19:00  23日(土)14:00 26日(火)14:00 
オペラパレス

【指揮】イヴ・アベル
【演出・衣裳】ヴァンサン・ブサール
【美術】ヴァンサン・ルメール
【ムーブメントディレクター】ヘルゲ・レトーニャ

【ヴィオレッタ】ベルナルダ・ボブロ
【アルフレード】アントニオ・ポーリ
【ジェルモン】アルフレード・ダザ
【フローラ】山下牧子
【ガストン子爵】小原啓楼
【ドゥフォール男爵】須藤慎吾
【ドビニー侯爵】北川辰彦
【医師グランヴィル】鹿野由之
【アンニーナ】与田朝子

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

S27,000円 A21,600円 B15,120円 C8,640円 D5,400円
問:新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999

新国立劇場 http://www.nntt.jac.go.jp/opera/