[小耳大耳]第22回「芥川作曲賞」は新井健歩(けんぽ)の作品に決定

 作曲家・芥川也寸志の功績を記念して創設された「芥川作曲賞」は、将来を期待される新進作曲家の作品を、演奏会形式による公開審査で選出するというユニークな作曲賞として知られる。22回目の今回は、8月26日(日)にサントリーホールで行われた演奏会(大井剛史指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団)による公開選考(選考委員:北爪道夫、高橋裕、原田敬子)の結果、新井健歩の「鬩(せめ)ぎ合う先に〜オーケストラのための〜」が受賞し、主催のサントリー芸術財団より賞状と賞金50万円が贈られた。贈賞理由は「自己の内面に忠実に、独自の作曲方法を追求する姿勢が高く評価された」とのこと。なお、新井はサントリー芸術財団より交響管弦楽曲の新作が委嘱され、完成後に同財団主催の演奏会で初演される(委嘱料100万円)。

  新井は1988年ロサンゼルス出身。2011年桐朋学園大学作曲専攻卒業、12年同大学研究科修了。作曲を大家百子、鈴木純明に、ピアノをローラン・テシュネに、指揮を吉田行地に師事。今までに、平均律によらないピッチ組織や、演奏動作と音楽の関係などを、独自の視点で探求した作品を制作し、新たな音楽のあり方を模索している。

サントリー芸術財団(音楽事業)HP