[小耳大見]山田和樹、中藤泰雄が受賞

 「渡邉曉雄音楽基金」は、日本指揮界の重鎮、故・渡邉曉雄の日本音楽文化に遺した多大な業績を積極的な形で今後に引き継ぎ、日本の音楽界の発展に寄与することを願い1992年に設定された。次代の音楽界を担う優秀な指揮者と、オーケストラ界に貢献した関係者の顕彰を行っている。
 2012年度は、指揮者に贈られる「音楽賞」を受賞したのは山田和樹。「音楽賞」は2008年以来該当者なしが続いていたため、山田は5年ぶりの受賞者となる。オーケストラ界に貢献した関係者に贈られる「特別賞」は、ジャパン・アーツ設立者の中藤泰雄が受賞した。2人の受賞理由は下記の通り。
音楽賞:山田和樹氏は、2009年のブザンソン国際指揮者コンクール優勝後、パリ管弦楽団に客演を重ねるなどヨーロッパで着実にキャリアを重ね、12年9月よりスイスと日本でポストに就任する。山田氏の豊かな音楽感と、緻密で繊細な音楽構築力は、すでに聴衆のみならず共演する演奏家を魅了し、世界のオーケストラから注目を集めている。
特別賞:中藤泰雄氏は、1976年に音楽事務所・株式会社ジャパン・アーツを設立し、80年には霧島国際音楽祭・講習会を開始、84年にはジェスク音楽文化振興会を設立、94年には日本音楽マネジメント協会の会長に就任。本業としての文化事業の実績に加え、クラシック音楽文化の普及、演奏家の育成、文化事業者全体の活性化と団結を目指し、日本におけるクラシック音楽の国際発信力を強化した。