キング・オブ・コンマス!元ウィーン・フィルのライナー・キュッヒル 渾身の「クロイツェル」

左:ライナー・キュッヒル ©Winnie Kuechl 右:加藤洋之

 長年にわたりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務め、わが国にもファンが多いライナー・キュッヒル。10月15日に開催される第551回日経ミューズサロンで、オール・ベートーヴェン・プログラムによるリサイタルを開催する。

 「『クロイツェル・ソナタ』は、ほかのソナタとは異なる性格をもち、ピアニストとの間でコンチェルトを演奏するようなスリルに満ちた対話が展開します」と話すキュッヒル。大胆さと繊細さを併せもつこの曲は、高度な演奏技術と鋭い感性が要求されることから、「時の流れとともに成熟していく演奏者の技量や感性を映し出す作品」でもあるという。ソナタ第8番・第10番についても、「偉大な作品であることに変わりはなく、みなさんの前で演奏できることは、大きな喜びです」と語る。

 ピアノの加藤洋之は、長年にわたり信頼を寄せる共演者のひとり。ベートーヴェンの真髄に迫るふたりの演奏に期待は高まるばかりだ。
文:白柳龍一
(ぶらあぼ2024年10月号より)

第551回日経ミューズサロン ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタル
2024.10/15(火)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://art.nikkei.com