日本デビュー20周年! ピアニスト・福間洸太朗が記念リサイタルを開催

©Shuga Chiba

 日本でのリサイタル・デビューから20周年を迎えた福間洸太朗。2003年にクリーヴランド国際コンクールで日本人初優勝を飾って以来、世界各国からの招聘が後を絶たず、現在最も多忙なピアニストの一人であるが、近年では価値ある作品を掘り起こす「レア・ピアノミュージック」プロジェクトを進め、アレンジ譜の出版や後進の指導も行い、まさにピアノ文化の全方位で精力的に走り続けている。

 そんな福間が「日本デビュー20周年記念」を掲げるサントリーホールのリサイタルは、「ストーリーズ」がテーマ。常に明確なコンセプトをもって演奏会を構成する福間だが、今回は自身の20年の歩みの中で見出されたさまざまな物語を、ピアノで語ろうという意図が読み取れる。前半は福間が大切に思い続ける作曲家ショパン。「英雄」ポロネーズ、「葬送」ソナタ、「幻想ポロネーズ」の3作を通じて、ダイナミックな感情の起伏や人生観を伝えることだろう。後半では野平一郎の新作「水と地の色彩」の日本初演も行われる。自身の名「洸」の文字に由来する煌めく水のイメージを響きに変えて、ホールの隅々まで届けてくれるに違いない。《トリスタンとイゾルデ》や「牧神の午後への前奏曲」では、オーケストラ・サウンドの深みに迫る福間のタッチに期待が高まる。締めくくりは、「洸」の様相が溢れんばかりに表現された、自身のアレンジによるスメタナの「モルダウ」だ。福間のこれまでとこれからに思いを馳せて臨みたいリサイタルだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2024年10月号より)

日本デビュー20周年記念 福間洸太朗 ピアノ・リサイタル《ストーリーズ》
2024.11/11(月)19:00 サントリーホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 
https://www.japanarts.co.jp

他公演
2024.9/22(日・祝) 京都コンサートホール(小)(otonowa 075-252-8255)
9/28(土) 札幌コンサートホール Kitara(小)(道新プレイガイド0570-00-3871)
10/4(金) 横浜みなとみらいホール(神奈川芸術協会045-453-5080)
10/5(土) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール(04-2998-7777)
10/6(日) 三重県文化会館(059-233-1122)
10/9(水) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール(025-224-5521)
10/11(金) 群馬/美喜仁桐生文化会館(小)(0277-22-9999)
10/19(土) 大阪/ザ・シンフォニーホール(06-6453-2333)
11/8(金) 愛知/電気文化会館 ザ・コンサートホール(CBCテレビ事業部052-241-8118)
※公演によりプログラムは異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。