東京交響楽団の次期音楽監督にロレンツォ・ヴィオッティが就任

ロレンツォ・ヴィオッティ (c)Jan Willem Kaldenbach

 本日、東京交響楽団が第4代音楽監督としてロレンツォ・ヴィオッティが就任することを発表した。任期は2026年4月から3年間。同年3月で任期を満了するジョナサン・ノットの後任となる。

 ヴィオッティは1990年生まれ、スイス・ローザンヌ出身。フェニーチェ歌劇場音楽監督などオペラ指揮者として活躍した故マルチェッロ・ヴィオッティを父に持つ。リヨンでピアノ、歌、打楽器を学び、ウィーンでゲオルク・マルクの指揮者コースに参加。リスト音楽院でニコラ・パスケに指揮を学び、2015年のザルツブルク音楽祭でネスレヤングコンダクター賞を受賞。カダケス国際コンクール、ライプツィヒMDRコンクールなどの権威あるコンクールで優勝している。

 現在はオランダ国立歌劇場およびネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めており、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、シュターツカペレ・ドレスデン、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管などにも定期的に客演。今年6月には、ウィーン・フィルのドイツ・スイス・スペインツアーにも出演した。一方、オペラ指揮者としても活躍著しく、今年2月にスカラ座でダニエレ・アバド演出によるヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》(新演出)、4月にはチューリッヒ歌劇場でカールマン《チャールダーシュの女王》を指揮している。

 東響には2014年7月の東京オペラシティシリーズでクシシュトフ・ウルバンスキの代役として初登場。このステージが日本デビューだっただけでなく、自身のプロオーケストラデビューでもあった。それ以後、16年、19年(2回)、23年と計5回共演している。
 ヴィオッティは現在34歳。次世代を担うマエストロと歩む東響の新時代に期待したい。

 以下、ヴィオッティのコメントを紹介する。

日本の“文化を尊重する姿勢”は素晴らしいと常に感じています。14年前、打楽器奏者として初めて来日し、音楽大学で日本の演奏家の皆さんのプロフェッショナリズムに触れたときから、私はすぐにこの文化に魅了されました。
東京交響楽団は、私が指揮者のキャリアをスタートさせた場所です。プロオーケストラでの経験がなかった私を、メンバーの皆さんに大変あたたかく迎えていただいたことをしっかりと覚えています。あれから幾度と共演しましたが、彼らの芸術に対する忠誠心、愛情、情熱は、何年経っても変わりません。日本におけるクラシック音楽は重要な文化的支柱であり、その継続に貢献できることに大変光栄に思います。東京交響楽団の素晴らしい音楽家たちと日本の聴衆の皆様にこの芸術への情熱を分かち合えることを楽しみにしています。

ロレンツォ・ヴィオッティ Lorenzo VIOTTI

東京交響楽団
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