東京バレエ団 創立50周年記念シリーズ10『ジゼル』

 東京バレエ団の創立50周年記念シリーズもいよいよフィナーレ。シリーズ、掉尾を飾るのはロマンティック・バレエの名作『ジゼル』全2幕。ドイツの農村を舞台に、村娘ジゼルの純愛と恋人アルブレヒトの裏切りを主題に扱ったアダン作曲のバレエで、現実的な第1幕と妖精の異国的な第2幕と2つの世界の対比が大きな見どころとなっている。演出・振付には、ボリショイ・バレエのラブロフスキーやワシーリエフの改訂が加えられ、格調高い制作に定評がある。
 東京バレエ団は、従来から世界一級のゲストを迎えてこの名作を上演してきたが、今回は、先のボリショイ・バレエ来日公演で絶賛を博した女王スヴェトラーナ・ザハロワとイタリアの生んだ貴公子ロベルト・ボッレが客演するのが話題。前売りは2日間とも完売となり同キャストでの追加公演(3/12)も決まった。その前評判に違わぬ“世紀のカップル”の名演を堪能させてくれることだろう。
 そしてもう1組は、渡辺理恵と柄本弾のフレッシュ・ペア(3/14)。渡辺は、抜群のプロポーションに清楚な雰囲気が持ち味で、『ドン・キホーテ』の森の女王などで活躍。一方、柄本はノイマイヤー版『ロミオとジュリエット』や『ドン・キホーテ』など次々に大作に主演し進境著しい。今回の初共演にも期待がかかる。
 『くるみ割り人形』と『眠れる森の美女』に続いて、アーティスティック・アドバイザーのウラジーミル・マラーホフが指導に携わるのも心強い。
文:渡辺真弓
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)

3/12(木)〜3/15(日) ゆうぽうとホール
3/21(土・祝)14:00 妙高市文化ホール 
問:NBSチケットセンター03-3791-8888 
http://www.nbs.or.jp