都会の空間で享受するサックスの魅力
昨年3月にオープンしたよみうり大手町ホールは客席数501の中規模ホール。芝居や能、落語など、多目的に使える機構を有する会場だが、やはり音楽ファンは、豊かなアコースティックを持つ音楽ホールとしての存在感に注目しているだろう。まもなく1周年を迎える中で、すでにいくつかの主催企画が定着してきているが、『アフタヌーン・コンサート シリーズ』もそのひとつ。シリーズ5回目は、人気実力ともに日本のサクソフォン界を牽引する須川展也が出演する。しかも、こちらも人気者、ヴァイオリニストの奥村愛の共演とあっては聴き逃せない。「ニューシネマパラダイス」などのおなじみのナンバーや、石川亮太、加藤昌則、挾間美帆といった須川ファンならすでにCDでもご存知の、注目のクリエイターの作品が並ぶプログラムも注目度十分。ピアノは須川の名パートナー、小柳美奈子。平日の午後、日本のビジネスの中心街に美しいサウンドがあふれるオアシスが出現する。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)
3/11(水)14:00 よみうり大手町ホール
問:読売新聞文化事業部03-3216-8500
http://yomi.otemachi-hall.com