シリーズ杜の響き Vol.30 佐藤俊介(ヴァイオリン) & 小菅 優(ピアノ) デュオ

“新時代”の到来を告げるデュオ

 世界を舞台に活躍するヴァイオリニスト佐藤俊介とピアニスト小菅優。同世代の彼らには、ともに幼稚園や小学校の頃から海外で暮らして音楽を学んできたという共通点もある。2人の共演は2009年以来とのことだが、15〜16歳の頃から交流があり、互いの音楽も性格も知り抜いている間柄。曲目はストラヴィンスキー「イタリア組曲」、シマノフスキ「神話」より「アレトゥーサの泉」、ラヴェル「ヴァイオリン・ソナタ」「同遺作」、フォーレ「ヴァイオリン・ソナタ第1番」。最初に小菅から提案されたというラヴェルの遺作ソナタを軸に、関連性のある作曲家という視点から、ラヴェルの師匠のフォーレ、友人だったストラヴィンスキー、印象派の影響を受けたシマノフスキと、19世紀末から20世紀初頭の作品が並んだ。フランス音楽をキーワードに、この時代の多彩さを提示したプログラムでもある。木のぬくもりが五感にやさしい「杜のホールはしもと」で気鋭の2人のデュオを堪能する午後。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)

2/21(土)15:00 杜のホールはしもと
問:チケットMove 042-742-9999
https://www.hall-net.or.jp