トリオ・ヴェントゥス(ピアノ三重奏団) リサイタル 〜Emotive Framework 2〜

勢いを増すアンサンブル、その充実を確かめる

左より:廣瀬心香、鈴木皓矢、石川武蔵

 ラテン語で「風」を意味する「VENTUS(ヴェントゥス)」の名を冠するピアノ三重奏団は、廣瀬心香(ヴァイオリン)と鈴木皓矢(チェロ)らによってベルリンで2019年に結成。22年に石川武蔵(ピアノ)が加わり、“新生ヴェントゥス”となった彼らの22、23年の国内三都市ツアー(東京・大阪・宮崎)は大成功を収めている。今年の1月末には第33回青山音楽賞でバロックザール賞を受賞した。

 さらなる活躍が期待されているなか、新CD発売記念を兼ねたリサイタルがHakuju Hallで行われる。ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番「大公」にシューマン、シューベルトの作品を集め、彼らが特に大切にしている独墺の音楽の魅力が詰まったプログラムだ。なお、CDにはシューマンにリーム、ラヴェルの作品を収録。彼らのレパートリーの広さと音色の多彩さを楽しむことができる。その名の通り、風を巻き起こすように力強い歩みで進化を遂げていくトリオの“いま”をぜひこの機会に味わってほしい。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2024年3月号より)

2024.3/15(金)19:00 Hakuju Hall
問:TRIO VENTUS trioventus03@gmail.com 
https://www.trioventus.com