モンテカルロ・フィルの記者会見に山田和樹が登場

山田和樹

 今年5月、8年ぶりに日本ツアーを行うモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の記者会見が2月5日、サントリーホール ブルーローズで行われ、同楽団の芸術監督兼音楽監督の山田和樹らが出席した。

 モナコ公国のモンテカルロを本拠地とする同楽団は、1856年に設立され、160年以上の歴史を持つ。2016年からは山田が現在のポストを務めており、このコンビでの来日は初めて。今回のツアーは全6都市で7公演が予定されており、プログラムに組み込まれているピアノ協奏曲のソリストは、山田と公私ともに交流があるという藤田真央が務める。

「2016年にこのポストに就いて現在8季目、元々3年だった任期が延長を経て26年までの契約です。
 モンテカルロ・フィルは、監督の権限が非常に強く、例えば(山田が首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーを務める)バーミンガム市響だと音楽だけに集中すれば良いのですが、人事も含めたすべての権限を持っています。このようなことが影響して、最初の任期の3年で、このポストを終えることも考えていました。しかし年月が経ち、苦労を共にしたこともあって楽団員の方たちが心を開いてくれるようになり、現在ではこのオーケストラでの仕事を楽しんでいます。今が一番関係が温まっている状態です。
 このオーケストラは、機能的であることが特徴の“21世紀のオーケストラ”とは異なる性格を持っています。古き佳き時代の香りや色の表現が存在していますし、楽団員ともそんな演奏を目指そうと話しています」

 自身と同じくベルリンを拠点とする藤田とはベートーヴェン、ラヴェルのピアノ協奏曲で共演する。
「若くて楽器が上手い人はたくさんいますが、その中でも藤田さんは全ての人に愛されるような、人の心をうまくくすぐる術を持っているように感じます。彼は日本の宝だと思います」

 藤田はビデオメッセージでコメントを寄せた。
「格式高く、長い歴史を持つモンテカルロ・フィル、そして山田和樹さんとご一緒できることを非常に嬉しく思っています。ぜひ会場でお会いしましょう」

藤田真央

 東京と京都の公演は、音楽文化の普及と発展のため若い音楽家への支援を続けているローム ミュージック ファンデーション(RMF)が立ち上げた「RMF & 山田和樹 グローバル プロジェクト」の一環として行われ、公演当日25歳までの学生はS席チケットを特別価格で購入できる(税込4,000円 先着順)。

RMF & 山田和樹 グローバル プロジェクト
山田和樹指揮 モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 ピアノ:藤田真央

2024.5/27(月)、5/28(火)各日19:00 サントリーホール
2024.5/31(金)18:30 ロームシアター京都

曲目
【5/27】
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」 op.62
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14
【5/28、5/31】
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 op.78,R.176 「オルガン付」

他公演
5/25(土) 兵庫県立芸術文化センター(ABCテレビ06-6453-6000)
5/26(日) 千葉県南総文化ホール(0470-22-1811)
5/30(木) 愛知県芸術劇場コンサートホール(CBCテレビ052-241-8118)
6/1(土) 横浜みなとみらいホール(神奈川芸術協会045-453-5080)