自身のピアニズムを名曲プロに乗せて
ジャンミッシェル・キムの奏でるピアノは、時空間から音楽美を彫刻してみせるかのように詩的で立体的、内省的かつ情熱的である。1989年生まれ、東京出身。東京音大付属高校とパリ国立高等音楽院で学び、数々の国際コンクールで上位入賞を果たしてきた。現在はフランスを拠点とし、日本やベルギーで定期的にリサイタルを開く。室内楽や2台ピアノ、声楽との共演にも力を注いで音楽的語彙力を高め、表現力を深めている。
そんなキムの「2024年早春ピアノリサイタル」は、京都のバロックザール、東京のトッパンホール、長野の芸術館リサイタルホールという、それぞれ響きに定評のある音楽ホールで開かれる。曲目はベートーヴェンのソナタ第14番「月光」および後期の叙情的なソナタ第31番、そしてリストの大曲であるロ短調のソナタだ。キムの繊細で深みのある音色と、明快な構成力とが存分に発揮されそうな期待の高まるプログラムである。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2024年2月号より)
2024.2/22(木)18:30 京都/青山音楽記念館 バロックザール
2/25(日)14:00 トッパンホール
3/3(日)14:00 長野市芸術館 リサイタルホール
問:ジャンミッシェル・キム 日本コンサート jm.concertjapon@gmail.com