名手たちがひらく知られざる名曲の世界
ピアノのために書かれた作品は星の数ほど存在する。演奏される機会が少ないものの中にも優れた作品はある。そうした曲に光を当て、第一線で活躍するピアニストたちの演奏を通じて息吹を与えるプロジェクトが、福間洸太朗の進める「レア・ピアノミュージック」だ。コロナ禍の2020年、福間のYouTubeチャンネルでの動画配信によりスタートした本企画であるが、第26回はホールで開催される特別公演だ。「シューベルトと矢代秋雄の世界」と題し、河村尚子が登場する。
河村はN響と共演した矢代のピアノ協奏曲で第51回サントリー音楽賞を受賞するなど、作品に新たな輝きを与えた。本公演ではシューベルトのソナタ第17番と矢代のソナタを取り上げるほか、プロデューサーである福間も登場し、初共演となる二人の連弾でシューベルトの変奏曲や矢代の「古典組曲」が披露される。実演で耳にするチャンスの少ない“レア”共演にも期待が膨らむ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2023年6月号より)
2023.7/21(金)19:00 杉並公会堂
問:ジョイフル・アーツ03-6869-6872
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