イタリアで大輪の花を咲かせて国際的に活躍めざましいメゾソプラノ・脇園彩待望のデビュー盤。本場ロッシーニ・オペラ・フェスお墨付きのロジーナ役を筆頭に、喜歌劇の名アリアからベルカント・オペラを完成させたベッリーニの歌曲まで満載。タイトルに付けたのは“愛”。14世紀、人文主義者の叙情詩人がラウラという女性に捧げた情熱的な定型詩にリストが作曲した「ペトラルカの3つのソネット」はその結実であり後半の聴きどころ。パンデミック中にミラノの家をシェアしていたという、ヴェルディ音楽院指揮科に通う丸山貴大(ピアノ)を起用しているのも注目点だ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2023年6月号より)
【information】
CD『アモーレ Amore/脇園彩』
ジョルダーニ:カロ・ミオ・ベン/ベッリーニ:「6つのアリエッタ」より〈せめて 私にかなわぬなら〉〈喜ばせてあげて〉、追憶/ロッシーニ:歌劇《セビリアの理髪師》より〈今の歌声は〉、歌劇《ラ・チェネレントラ》より〈苦しみと涙のうちに生まれて〉/リスト:ペトラルカの3つのソネット 他
脇園彩(メゾソプラノ)
丸山貴大(ピアノ)
BRAVO RECORDS
BRAVO-10011 ¥3300(税込)