記者懇親会:錦織健プロデュース・オペラVol.6 モーツァルト《後宮からの逃走》

 来年2月から全国各地で上演される錦織健プロデュース・オペラVol.6 モーツァルト《後宮からの逃走》〜ハーレムから助け出せ!。それに先立ち23日、東京都内で記者懇親会が開かれた。(Photo:M.Terashi/TokyoMDE)

 錦織健プロデュース・オペラは、「お茶の間にオペラを!」を合言葉に、錦織がオペラ初心者にも気軽にオペラを楽しんでもらおうと2002年からスタート、今回で6回目、13年目を迎える。

 コンセプトは“旅のオペラ一座”だ。

 錦織は、これまでを振り返りながら、次のように自身のプロデュース・オペラについての思いを語った。
「初心者の方に、無理にでもオペラを観るように仕向けよう。もっとオペラを観る人を増やそうという思いで始めました。そこに、すばらしいメンバーが加わってくれて、これまでやってこられた。パワーでは外国の歌手にまだまだ負けるかもしれないけれど、アンサンブルでは日本人でもひけをとらない。初心者向けでもクオリティは落とさない。そういう気持ちでやっています。初心者にとって何が敷居になっているのかも考えながらやってきました」

錦織健

錦織健

 今回上演するモーツァルトのオペラ《後宮からの逃走》では、これまで以上に判りやすく、ストレートに物語を楽しんでもらおうと、台詞部分はすべて日本語での上演となる。これについて錦織は「劇団四季のミュージカルがすべて英語だったら、ここまでの人気、ロングランはなかったのではないかと思います。以前は二期会でもオペラは日本語でやるのが当たり前の時代がありました。今では原語至上主義のような空気もありますが、当時は日本語でやることでリアルタイムでダイレクトに聴衆とコミュニケーションをとれるなど、いい部分もありました」とその狙いを語り、太守役の池田直樹も「美しい音楽はドイツ語の原語で歌い、お芝居の台詞は日本語で楽しんでほしい」とそれに同調。

 コンスタンツェ役の佐藤美枝子は「参加できて光栄に思っています。これまで参加した歌手から、内容の濃い充実した音楽生活だったと聞いていました。いつか参加したいと思っていましたが、それがようやく実現しました。コンスタンツェ役は難しい役ですが、念願でもありました」と喜びを語った。

佐藤美枝子

佐藤美枝子

 ブロンデ役の市原愛は「高い評価を得ているプロダクションだと聞いていましたので、錦織さんからお声が掛かったときには『これはチャンスだ』と思いました。この作品はドイツではどこの歌劇場でもよくやられる作品ですが、ブロンデ役は自分のキャラクターにも合っていると思い、いつか歌いたいと思っていた役なので、がんばります」と抱負を述べた。
市原愛

市原愛

 また池田は「今回、私は歌わず台詞だけですが、5人の歌う歌は超絶技巧のオンパレード!必ずや、すばらしい舞台になるでしょう。これまでの3公演に参加しましたが、錦織さんはいつも歌手が気持ちよく稽古できることを最優先に考えてくれている。一度も歌手が合唱が不愉快になることはなかった。みんな感謝しています。打ち上げでもみんなで喜びあう。これはなかなか出来ないことです」と錦織を讃えた。
池田直樹

池田直樹

 オペラ歌手がオペラをプロデュースすることについて錦織は「歌手の生理をわかっているというのが強み。オペラの稽古では、とかく拘束時間が問題となります。2ヶ月以上にわたる稽古の間、他の公演を入れてはいけないとか、そういった契約があったりもするけれども、プリマドンナは売れっ子だからこそプリマであって、人気歌手であればあるほど、いろんな公演に引っ張りだこになるのです。だから、通し稽古にプリマが1回や2回いないことがあってもよい、というのが私の見解。そこまでの人気歌手をうちに呼んでいるんだということにもなるし、カヴァー歌手の稽古にもあてられます。カヴァーの存在も非常に重要です。もしもこれが指揮者や演出家主導のオペラであれば、こうはいかないだろうと思います」との思いを明かし、また「何ヶ月も稽古して1、2回の上演で終わるのはもったいない。どうせやるなら10回程度はやりたい。そういう思いで、いろいろなところにプロモーションした結果、今回は全国7カ所8公演行うことになりました」と喜びを語ると池田も「初日は(きちんと歌うけれども)緊張して終わってしまう。二日目になると、反省し改善しようとする余裕も出来てくる。で、それを活かして3日目に・・・と思っても、それがなかった。けれども、このオペラではそれができる。もっともっといい舞台にする機会が持てるんです」

『錦織健プロデュース・オペラ Vol.6 モーツァルト《後宮からの逃走》〜ハーレムから助け出せ!』は、2015年02月22日(日) サンシティホールを皮切りに3月24日の福岡シンフォニーホールまで8公演開催される。

〜ハーレムから助け出せ!〜
錦織健プロデュース・オペラ Vol.6 モーツァルト《後宮からの逃走》

2015年02月22日(日) 14時 サンシティホール
2015年03月13日(金) 18時30分 15日(日) 14時 東京文化会館
ほか

●出演
佐藤美枝子 Mieko Sato(コンスタンツェ役)
錦織健 Ken Nishikiori(ベルモンテ役)
市原愛 Ai Ichihara(ブロンデ役)
高柳圭 Kei Takayanagi(ペドリロ役)
志村文彦 Fumihiko Shimura(オスミン役)
池田直樹 Naoki Ikeda(太守役)

●音楽監督・指揮:現田茂夫
●演出:十川稔

管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団
合唱:ラガッツィ

問:ジャパン・アーツぴあ 03-5774-3040
http://www.japanarts.co.jp/