創立60周年 広島交響楽団が2023年度のラインナップを発表

次期音楽監督にクリスティアン・アルミンクが就任

 2023年度に創立60周年を迎える広島交響楽団が、新シーズン(2023年4月〜24年3月)のラインナップを発表した。23年度は音楽総監督である下野竜也の最終シーズンとなり、その後任として、24年度からは現・首席客演指揮者のクリスティアン・アルミンクが音楽監督を務めることが決定。17年から楽団を率いてきた下野は、退任後に桂冠指揮者に就任する。23年度のテーマは、『繋ぐ』。「音楽による平和」を次世代に繋ぐための広響らしいプログラムが組まれた。

下野竜也

 広島文化学園HBGホールで開催される定期演奏会では、ヴァイオリンの五嶋みどりがソリストとして登場する創立60周年記念プレミアム定期(1)(2023.5/18)などに下野が登壇。さらに、23年度シーズンのフィナーレには「下野竜也 音楽総監督ファイナル」と題した特別定期演奏会が、広島(2024.3/8)と東京(3/10@すみだトリフォニーホール)で開催される。プログラムは、楽団のコンポーザー・イン・レジデンスを務める細川俊夫の「セレモニー –フルートとオーケストラのための」(フルート:上野由恵)と、下野の就任披露公演でも演奏されたブルックナーの交響曲第8番ハ短調(ハース版)。
 そして、次期音楽監督のクリスティアン・アルミンクは、第439回定期演奏会(2024.3/2)に登場し、スメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲を披露予定。

クリスティアン・アルミンク

 ほかにも、ウラディーミル・フェドセーエフなど国内外の客演指揮者・ソリストを迎えて、生誕150周年のラフマニノフ・プログラムや、藤倉大作曲トロンボーン協奏曲の世界初演など、独自のプログラムが用意されており、邦人作品を紹介する下野の「ディスカバリー・シリーズ」、小林海都(ピアノ)や三浦文彰(ヴァイオリン)など注目の俊英が登場する「音楽の花束〜広響名曲コンサート〈春・秋・冬〉」、廿日市や呉などを会場とする「地域定期演奏会」なども行われる。
 そして、「平和貢献」も理念に掲げる広響が、例年8月に開催している「平和の夕べ」コンサート(2023.8/5)には、2020年の同シリーズで、藤倉大のピアノ協奏曲第4番「Akiko’s Piano」を初演した広島県出身の萩原麻未らソリストが登場し、糀場富美子「未風化の7つの横顔」やフォーレ「レクイエム」などを演奏する。

広島交響楽団
http://hirokyo.or.jp
※プログラム、発売日等の詳細は、公式サイトにてご確認ください。