■音楽評論家黒田恭一氏逝く

 5月29日(金)に音楽評論家の黒田恭一氏が多臓器不全のため死去した。享年71歳。早稲田大学出身で在学中から文筆活動を行っていたことは良く知られているが、音楽評論家として本格的にデビューしてからは、指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンを始めとして演奏家についての広い知識と分かりやすい文体が人気を呼び、一般誌を含む多くの紙誌で執筆した。クラシックのみならず、ジャズにも造詣が深くライナーノートも手がけている。NHK FM番組のキャスターとしても出演、またBunkamuraオーチャードホールのプロデューサーも務めた。主な著作に『カラヤン・カタログ303』(音楽之友社)、『オペラへの招待』(暮しの手帖社)、『水のように音楽を』(新潮社)などがある。