第20回東京音楽コンクール 優勝者コンサート

今後いっそうの活躍が期待される新鋭4名の熱演

 去る8月、今年は声楽・ピアノ・金管の3部門で開催され、第20回の節目を迎えた東京音楽コンクール。その優勝者たちが成人の日に顔を揃える。

 声楽部門第1位は池内響(バリトン/東京藝大卒・同大学院修了)。「声よし、歌よし、姿よし」(大島幾雄審査員長)と評された豊かな声と恵まれた容姿で、《ジャンニ・スキッキ》《フィガロの結婚》《ドン・カルロ》と、多様なキャラクターのアリアを。本選ではリストの協奏曲を鮮やかに弾いて「大きな空間を目指す輪郭のはっきりしたピアノ」(野平一郎審査員長)と評価されたのはピアノ部門第1位の中島英寿(桐朋学園大卒・同ソリスト・ディプロマコース在学)。今回はグリーグの協奏曲を披露する。毎年ますます高水準になっている金管部門は二人が第1位を分け合った。本選のR.シュトラウスのホルン協奏曲第2番の美しい音色が高評価を得た吉田智就(ホルン/東京音大卒・同大学院科目等履修生在籍)は同じシュトラウスの協奏曲第1番を吹く。高い技術で、名手・津堅直弘審査員長をして「驚いた」と感嘆させた河内桂海(トランペット/東京藝大4年)はトマジのトランペット協奏曲。本選のデザンクロに続く20世紀作品。現代の名曲でスリリングな妙技を披露してくれそうだ。

 共演は高関健指揮の東京フィルハーモニー交響楽団。今年も「コンサート・ソムリエ」のフリーアナウンサー朝岡聡が司会を務め、優勝者たちの素顔を引き出してくれるのも楽しみ。
文:宮本明
(ぶらあぼ2022年12月号より)

2023.1/9(月・祝)15:00 東京文化会館
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