【SACD】R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番&第2番/日髙剛

 N響奏者から東京藝大の准教授に転身後、多彩な活動を続ける日髙剛が、首席客演奏者を務める日本センチュリー響の仲間たちと録音したシュトラウス・アルバム。協奏曲第1番では、柔らかく温かな肉厚の音で、雄大にして晴れやかな演奏を展開し、聴く者に幸福感を与えてくれる。60年後に書かれた協奏曲第2番では、ナチュラルなフレージングで、力みなくインティメイトな最晩年の境地を表現。2曲の在り方の違いが明示される。望んで録音したという父子の小品も滑らかな歌い回しで美しい。全体を通してシュトラウスのホルン音楽の魅力を存分に満喫できる好盤。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2022年12月号より)

【information】
SACD『R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番&第2番/日髙剛』

R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番、同第2番、アンダンテ 遺作/フランツ・シュトラウス:ノクターン op.7

日髙剛(ホルン)
粟辻聡 カーチュン・ウォン(以上指揮)
日本センチュリー交響楽団

収録:2021年1月、豊中市立文化芸術センター(ライブ) 他
オクタヴィア・レコード
OVCC-00167 ¥3520(税込)