沢田蒼梧 ピアノリサイタル

医学の道を志す音楽家として子どもたちのためにできること

 昨年、ショパン国際ピアノコンクールに出場して大きな注目を集めた沢田蒼梧。名古屋大学の現役医学生という点も話題を呼び、春休みに行われた紀尾井ホールでのリサイタルは早々に完売。繊細さと伸びやかさをあわせ持つショパンを披露し、満員の聴衆を魅了した。

 そんな沢田が、大阪と名古屋で行われるDAIKI GROUPチャリティーコンサートに出演。入場料収入はすべて、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと日本赤十字社に寄付されるといい、医師を目指す沢田も、まずは音楽家として子どもたちの未来に少しでも貢献したいと語る。

 演目は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番「熱情」とショパンの「24の前奏曲」ほか、ラフマニノフの小品も演奏。特に「24の前奏曲」はショパン・コンクール時のレパートリーにはなかった作品で、沢田がまた一歩深いところでショパンの音楽世界を探る姿を見せてくれる。

 人気上昇中とはいえ、学業との兼ね合いもあり、沢田のリサイタルはそう多くない。遠方からでも足を運ぶ価値がありそうだ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2022年6月号より)

2022.7/23(土)13:30 住友生命いずみホール
9/10(土)13:30 三井住友海上しらかわホール
問:大器株式会社03-6435-1090 
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