C × Organ オルガン・コンサート・シリーズ
ロレンツォ・ギエルミ オルガン リサイタル

バロックのスペシャリスト待望の来日公演が実現

 オルガンやチェンバロなど、イタリアを代表する歴史的鍵盤楽器の名手で、指揮者や研究者としても活躍を続けているロレンツォ・ギエルミ。大バッハを軸に、イタリア初期バロックのフレスコバルディ、北ドイツ楽派のブクステフーデやベームといった、バッハに影響を与えた先達たちの作品を併せて聴き、時空を超えた〈奇跡の出会い〉が体感できるオルガン・リサイタルを開く。約400席の小空間での濃密なる時間。これ以上の贅沢はないだろう。

 1959年、ミラノ生まれ。バーゼル・スコラ・カントールム教授などを歴任、現在はミラノの聖シンプリチアーノ教会オルガニストを務めている。世界各地へ客演し、洗練された技巧と、深い造詣に裏打ちされた快演で、聴衆を魅了。さらに、ミラノ国際音楽アカデミー古楽研究所で教鞭を執り、ピリオド楽器アンサンブル「ラ・ディヴィナ・アルモニア」も率いるなど、イタリア古楽界をリードし続けている。

 「どんなオルガンを弾くかをまず考え、プログラムを決める」とギエルミ。今回は、神奈川県民ホールが誇る、ドイツのヨハネス・クライス社製の銘器を響かせる。まずは、ベーム「前奏曲ハ長調」やブクステフーデ「パッサカリア ニ短調」、フレスコバルディの「トッカータ」など、「バッハ以前」の巨匠の作品を披露。続いて、哀愁を帯びた和声と旋律がドラマチックに展開されるハ短調と、若き作曲家がハンブルクの老巨匠ラインケンの前で披露したと伝わるト短調の2つの「幻想曲とフーガ」、未完の作品をギエルミ自身が補筆した「幻想曲ハ長調」など、大バッハの佳品を味わう。
文:寺西肇
(ぶらあぼ2022年6月号より)

※当初発表した曲目から、一部変更になっております。詳細は公式ウェブサイトをご確認ください。

2022.6/12(日)15:00 神奈川県民ホール(小)
問:チケットかながわ0570-015-415 
https://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/