現代音楽界を牽引する名手の音楽性を堪能
新作の委嘱・初演を含めて、現代日本の作品の啓蒙や紹介に大きく寄与、後進の指導にも力を注ぐなど、半世紀以上にわたり、コンテンポラリー・シーンをリードし続けてきた平尾はるな。時代を超えた佳品の数々を、独特の音色と感性で結び付け、88鍵の“宇宙”を創り上げる。
日本作曲界の先駆者である父・平尾貴四男とピアニストの母・妙子の四女として生まれ、7歳で安川加壽子に師事。パリ国立高等音楽院をプルミエ・プリで卒業し、帰国後は国際舞台で活躍を続ける一方、スポーツトレーニングの概念を採り入れた新たなピアノ練習法の研究と普及にも尽力。幅広い活動で音楽文化の発展に貢献し、多彩なレパートリーで聴衆を魅了してきた。
今回は、ベーゼンドルファー・アーティストに認定されてから初のソロリサイタルとなる。モーツァルト「ソナタ第13番」(K.333)と2つの「ロンド」(K.485&K.511)、サティの「前奏曲」4曲に、父貴四男のソナタ(第1楽章)とソナチネ、西村朗「ピアノのための『星の鏡』」と自在に選曲。「私の恋人」と平尾が語る銘器インペリアルで、思い入れとともに披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2022年4月号より)
2022.5/8(日) 14:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp