ウィーン楽友協会でウクライナのための慈善コンサートを開催

ギドン・クレーメル、エフゲニー・キーシン、クリスティアーネ・カルクらが出演

 3月22日、ウィーン楽友協会大ホール(Musikverein)で、ウクライナで戦禍に苦しむ人々のための慈善コンサート(Benefizkonzert)が開催されることが発表された。すべてのアーティストが無料で出演し、チケットの売上は支援団体 Nachbar in Not に寄付されるという。

 この日のために、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、ウィーン・アカデミー管弦楽団、ウィーン放送交響楽団、トーンキュンストラー管弦楽団、ウィーン交響楽団のメンバーたちが合同オーケストラを結成。指揮台に立つのはアイヴァー・ボルトン。趣旨に賛同し、駆けつけるソリストたちも豪華だ。ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)、エフゲニー・キーシン(ピアノ)、クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)、レナ・ベルキナ(メゾソプラノ)、ミヒャエル・シャーデ(テノール)、フローリアン・ベッシュ(バスバリトン)が名を連ね、ウィーン楽友協会合唱団も加わる。

 コンサートは、19世紀の作曲家ミハイロ・ヴェルビツキーが作曲したウクライナ国歌「ウクライナは滅びず(Shche ne vmerla Ukraina)」で幕開け。また、ジョージアの作曲家イゴール・ロボダによる無伴奏ヴァイオリン作品「ウクライナのためのレクイエム」、メンデルスゾーン「我らに平和を与えたまえ」、ショパン「英雄ポロネーズ」といった曲が演奏される。プログラムを締めくくるのは、やはりベートーヴェン「第九」第4楽章。

 当コンサートは、オーストリアの公共放送ORFで3月27日に放送される予定(ネットでの配信があるかどうかは、現時点では不明)。犠牲者への哀悼と平和への願いが込められた一夜となりそうだ。

BENEFIZKONZERT FÜR DIE UKRAINE
https://www.musikverein.at/en/concert/eventid/50425